2017年1月から、個人型確定拠出年金の加入対象が大幅に拡張されることになった。これまで、加入できるのは自営業者や企業年金制度のない会社員等に限られていたが、改正後は、公務員や専業主婦など、20歳以上60歳未満の人で、国民年金を収めていれば、誰もが加入できる制度となる。

 

個人型確定拠出年金という名前になじみのない人も多いかもしれないが、これを機にしっかりと知っておきたい。ファイナンシャルプランナーの伊藤加奈子氏がAll Aboutの「老後資金準備に使える個人型確定拠出年金」で、次のように解説している。

 

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個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?

国民年金や厚生年金、従来型の企業年金などの年金制度は「確定給付」の年金制度で、国や企業が将来、加入者に給付する年金額を確定させ、加入者に給付の約束をするもの。加入も強制で、基本的には20歳以上であれば国民年金に加入義務があり、厚生年金や企業年金は、勤務先が給与天引きの形で年金保険料を徴収している。

 

一方、個人型確定拠出年金は、年金と名前がついているものの、加入するもしないも、いくら拠出するかも、どう運用するかも自分次第、という制度だと伊藤は説明している。

 

「個人型確定拠出年金は、加入するかどうかは個人の自由。加入するなら、「拠出」する額を加入者が確定させ、自身の手によって運用先を決めるという仕組みのため、将来、受け取る年金額は確定しておらず、自分の運用次第で変わるということです。ただし、「企業型」の場合は、企業側が、拠出する額を決めるため、従業員は運用先や配分を決めるだけになります(マッチング拠出といって、拠出額を従業員が上乗せできる制度もあります)」

 

個人型確定拠出年金に加入するメリットは?

個人型確定拠出年金には、節税メリットが3点セットで備わっており、これはどのマネー商品よりも最強だと伊藤氏は述べている。

 

  1. 拠出額(掛け金)が全額所得控除になる
  2. 運用中の利益(利子、配当、分配金、売却益など)が非課税
  3. 年金受取時にも所得控除がある

 

「つまり、加入した時点から受け取りまで、ずっと税制上の特典を享受できるわけです。非課税や税の優遇があることは、現在のマイナス金利政策の状況では大きな意味を持ちます(詳しくは、あらためて記事にします)。節税できた分は隠れた収入ともいえ、同じ収入の人が、この制度を利用した場合としない場合では、それだけで差がつく、ともいえるのです。これが20年、30年と積み重なるわけですから、税制上のメリットを生かさない手はありません」

 

個人型確定拠出年金、デメリットはある?

すべてが自分の裁量でできる半面、必ずしも儲かるわけではない点、そもそも手続きやどう始めればいいのかが、わかりづらい点が難点だという伊藤氏。

 

「金融機関選びは最大のポイントで、それによって、選べる商品も違えば、口座管理にかかるコスト、運用にかかるコストも変わってくるのです。さらにいえば、1社しか選べないので、慎重な判断が必要になるのです」

 

伊藤氏によると、制度拡充に向けて、新しく取り扱いを始める金融機関もあり、商品のラインナップの増加、口座管理料の引き下げなど、サービス合戦も予想されるという。積極的に情報収集をして、加入すべきかどうか考えたいところだ。

  

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