国立感染症研究所などによると、11月20日までの1週間に、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎の患者は、1医療機関あたり、13.12人で、前の週の9.37人から大幅に増加。2007年以降で、同じ時期としては、最も多い患者数になるという。翌27日までの1週間は12.85人と微減だが、厚生労働省によると12月中旬にかけてピークになるとしており、注意を呼び掛けている。

 

急激に拡大しているノロウイルス。感染しないためにはどんなことに注意をすればよいのだろうか。感染症に詳しい医師の西園寺克氏がAll Aboutの「ノロウイルス集団感染! 3つの感染予防法」で次のように解説している。

 

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西園寺によると、ノロウイルスに負けないために効果的な方法は以下の3点だという。

ノロウイルスを倒す活性酸素を活用!

ノロウイルスに汚染されやすい食材の代表はムール貝や牡蠣などの二枚貝だが、ノロウイルスは熱に弱いウイルスなので、汚染された食材でも加熱調理をすれば安全。ただし、衣は高温となる一方で中までは十分に加熱されない牡蠣フライのような調理法が見落としがちだと西園寺は述べている。
 
「ウイルスの消毒というとアルコール消毒を考えますが、ノロウイルスはアルコールに抵抗性があるウイルスです。ノロウイルスの消毒に有効なのは活性酸素の一種の次亜塩素酸イオンでウイルスをやっつける次亜塩素酸(例:ハイター)です。生ものを調理したまな板は、次亜塩素酸で消毒するとノロウイルス対策に有効です」

 

外出先のトイレに要注意!

西園寺氏によると、保育園での集団発生などで一番疑わしいのはトイレのドア。トイレ個室内側のノブは、手洗い前に触るので汚染されている可能性があるという。

 

「水栓が手で回す型だと、手洗いしても水を止める時にまた汚染された水栓に触ってしまいます。トイレのドアが内開きの構造だと他人が触ったドアに触らないとトイレの出入りが不可能です。入り口のドアがないトイレというのは難しいですが、可能ならば、外出先では自動水栓のトイレを使いましょう」

 

嘔吐物の処理には手袋&新聞紙を

集団感染での盲点は嘔吐物の処理。嘔吐物は胃の内容物と考えがちだが、嘔吐を繰り返した場合、胆汁の混じった腸の内容物も嘔吐物となるという。

 

「嘔吐物はウイルスを含んでいると考えて間違いありません。処理時にも必ず手袋を着用しましょう。また嘔吐物が乾燥するとウイルスが舞い上がる可能性があります。直ぐに次亜塩素酸で消毒できない場合は、吐物のある場所を新聞紙などで覆って舞い上がらないようにするのが効果的です」

 

保育園や病院、介護施設では、おむつ交換時に職員の手が汚染される可能性があるので、できるだけ使い捨ての手袋の着用して汚物の処理をすること、手袋をはずした後には、手洗いを忘れないことも重要だという。

 

ウイルスというとワクチンで予防を考えたいところだが、西園寺氏によると、残念ながらノロウイルス予防のワクチン実現はまだ先になりそうだという。できる範囲でしっかり予防して、感染しないように注意したい。

  

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