気象庁によると、23日夜から24日にかけて、関東地方の上空1500メートル付近に真冬並みの寒気が南下する見込みで、東京など関東平野部でも積雪となる恐れがあるという。雪による交通障害や路面の凍結に注意が必要だと呼び掛けている。
日本気象協会によると、東京で初雪が観測されれば1962年以来54年だといい、宇都宮では30年ぶり、前橋では14年ぶりとなるという。
雪による被害を防ぐために、事前に心掛けることについて、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏がAll Aboutの『冬の災害、大寒波に備えるためには?』で次のように解説している。
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降雪時の移動で注意することは
■車の場合:スノータイヤを使用するのが必須
降雪時に車は冬用のスノータイヤを使用するのが必須だが、特に都市部では用意していない人が多く、よくスリップ事故が発生している。また、四駆ならば雪道でも問題ないと勘違いしている人も多いと和田氏は指摘しているが、四駆は、駆動力は強くても、制動時に効果がないので注意が必要だという。
「雪の予報が出ているときには極力車の使用を控えること。止むを得ない場合は事前に必ず冬用タイヤに履き替えておくことが必要です。雪道に慣れていない人が車を運転するのは自分のみならず、周囲にも危険を及ぼす可能性が高くなります。特に危ないのは降雪後の明け方近く、雪が凍りついた路面はさらに事故をおこしやすい環境にあります」
■徒歩の場合:早足で歩かない
通学や通勤時に、凍った路面で滑って大怪我をするのを防ぐために、和田氏は簡易的な靴の滑り止めを用意しておくことを勧めており、「革靴やブーツなどに簡単に取り付けられるものも市販されているので、いざと言うときにひとつあると安心です」と述べている。
また、雪の早足で歩かずに、垂直に足を下ろすようにすると雪道では転びにくくなるといい、「手荷物を減らすようにするのも効果的」とのことだ。
降雪で停電になることも
電線への着雪などによる「停電」は、山間部はもちろん、都市部でも十分に可能性があるという。2014年2月の豪雪では、広い地域で道路が閉ざされてしまったため、電源回復までに時間がかかったと和田氏は説明する。また、集合住宅では停電時には断水も同時に発生するため、他の自然災害同様、飲料水の備蓄は不可欠だ。
「降雪量の多い寒冷地では暖房に「ガス」や「灯油」など複数の手段を使用している家庭が多いと思いますが、都市部では停電時に電気以外に「暖房」や「調理」などの手段を持たない家庭が多く、冬場は体調不良などによる健康被害の可能性も高くなります。高齢者や幼児などのいる家庭では、寒波に備えて複数のエネルギーを確保しておきましょう」
■電話が通じず安否確認ができない場合も
またIP電話が普及している地域だと、安否確認が出来なくなる場合がある。IP電話はネットワークを経由しているため、機器に電力が供給されないと使えないという欠点があるためだ。和田氏は、災害時に備える意味で、従来の回線との併用を勧めている。
また、スマートフォンにおいても同様で、各キャリアの電話番号を使用せずにIP電話を使う人も多くなってきているが、IP電話は基本的に110番や119番などの緊急通報が出来ない。「IP電話はコストダウンなどのメリットもありますが、デメリットも踏まえ、複数の連絡手段を持っておくことをおすすめします」と述べている。
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