朝日新聞によると、子どもの誤嚥(ごえん)事故について、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が調査に乗り出す方針であることがわかった。消費者庁の分析では、2010~14年の5年間で、0歳児181人が誤嚥による窒息で死亡していたという。日本小児科学会によると、生後9カ月の男児が人形の付属品だった約1センチのおしゃぶりを詰まらせたり、2歳の女児がイチゴの形をした木製のおもちゃ(直径約3.5センチ)を詰まらせて死亡するなど、おもちゃによる事故は後を絶たないという。
何でも口に入れてしまう赤ちゃんの誤嚥事故を防ぐにはどうしたらよいのだろうか。誤嚥の危険性のあるものや万が一、詰まらせてしまったときの対処法について、All Aboutの『赤ちゃんの誤飲で気をつけたいもの』で解説している。
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もしかして誤飲かもと思ったら確認したいこと
赤ちゃんはさまざまな物に触れて手の感触を楽しみ、それを口に入れて口の中で形や感触を確認しながら五感でいろんなものを感じて成長していくため、生後5ヶ月ごろから、誤飲による事故が増え始める。もしも赤ちゃんの誤飲が疑われたら、必ず確認をすべきだという。確認をするポイントは次のとおり。
- 何を、いつ飲んだか
- 完全に飲み込んでしまっているか、まだ口の中に残っているか
- 機嫌や顔色が悪くないか、様子がおかしくないか
誤飲しやすいのはこの5つ
赤ちゃんが誤飲しやすい5つのものと対処法は次のとおり。
■タバコ
すぐに牛乳や水分を飲ませて舌の奥に指を入れて吐き出させる。水を飲ませるのは、吐かさせることが目的。もしも空き缶を灰皿にしていた際の水を飲んでしまった場合は、ニコチンの体内へしみ込む速度が早く、危険なのですぐに病院へ連れて行くほうがよい。
■化学薬品
成分が溶け出してしまう恐れがあるので牛乳を飲ませるのはNG。対処方法はさまざまになるので、すぐに医療機関へ。
■ビニール・シール(パッケージ袋やティッシュ、プリクラ、新聞紙なども含)
少量であればウンチと一緒に数日のうちに出てくるが、おかしな咳をしていたり、何度も吐く場合は危険な可能性があるので病院へ。
■コイン・ねじ・クリップ・ボタン
小さなものであればウンチと一緒に出てくるが、クリップが途中で引っかかってしまった場合、無理に引っ張ることで食道を傷つけてしまったり、電池などが途中で引っ掛かると中で電流が流れて食道が荒れてしまうことも。必ず病院へ連れていきたい。
■薬
大人の体に変化を起こすほど強い作用のあるもの。赤ちゃんにとっては命に関わることもあるくらい危険なものなので、直ちに病院へ。
誤飲事故を防ぐための工夫ポイント
普段からなるべく赤ちゃんの手の届くところに危険なものは置かないように配慮をすることは必須。行動範囲の広がってくる5ヶ月以降の赤ちゃんは、棚を開けたり、引き出しを出してみたり、テーブルクロスを引っ張って上のものを落としてみたりと好奇心が旺盛な時期なので、安全な野菜を置いて注意を向けるといった工夫も必要になる。
もしも危険な現場を発見したら、「これは食べてはいけないものだよ。体に入るとイタイイタイになるんだよ」とその都度、言い聞かせること。何度か繰り返すことで、理解していないように見えても、頭の中にはしっかりとママの言葉が残っているものなのだという。記事では、「根気強い気配りが必要になる時期ですが、大人の配慮で赤ちゃんを誤飲の危険から守ってあげましょう」と述べられている。
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