自殺した電通社員の母が講演 自殺から救うために周囲ができることは

読売新聞によると、昨年12月に過労自殺した電通新入社員の高橋まつりさんの母親、幸美さんが9日、東京都内で行われた過労死に関するシンポジウムに出席し、「経営者は大切な人の命を預かっているという責任感を持ち、本気で改革に取り組んでほしい」と涙ながらに訴えたという。

読売新聞によると、昨年12月に過労自殺した電通新入社員の高橋まつりさんの母親、幸美さんが9日、東京都内で行われた過労死に関するシンポジウムに出席し、「経営者は大切な人の命を預かっているという責任感を持ち、本気で改革に取り組んでほしい」と涙ながらに訴えたという。

 

同僚や家族の様子がおかしいと感じたとき、どのように対処してあげればよいのだろうか。身近な人の「命の危険」に気付くために注意すべきポイントについて、精神保健福祉士の大美賀直子氏がAll Aboutの『「自殺しそうな人」の8つのサイン』で次のように解説している。

 

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自殺を考える人の思いとは…

ストレス社会の現代、悩みをうまく解消する方法を見つけられずに生きる自信をなくし、「死んでしまいたい」という気持ちにとらわれてしまう人々…。大美賀氏によると、これはストレスなどによって脳内神経の情報伝達がうまくいかなくなってしまったときに、よく起こると言われているという。
 
たいていの人なら、マイナスな考えが頭に浮かんでも、すぐに気持ちの切り替えができるが、上記の状態になると、合理的で現実的な判断ができなくなり、最終的には「自殺」という解決策以外、頭に浮かばなくなってしまうのだという。

 

自殺する人は、そのサインを事前に発信している

注意したいのは以下の8つのサイン。自殺から救うために必要なのは、家族やパートナーなど、その人の身近にいる人が、自殺のサインに気づいてあげることだという。

 

1 いつも自分を責めて、マイナスのことばかりをいう(「自分なんかいなくなったほうがいい」など、自責の言葉ばかり口にしているなど) 

2 朝の調子がとても悪くなった(いつもの時間にすっきり起きられない、朝食が食べられない、朝刊に目を通す気力がないなど) 

3 最近、ストレスにつながるライフイベントがあった(親しい人との死別や離別、離婚、結婚、就職、昇進、降格、転勤、退職、引越し、出産など) 

4 体調の悪い時期がずっと続いている(持病をわずらっている。また、更年期、老年期など) 

5 家族とも顔を合わせたがらない(部屋にこもってしまう、話すのもおっくうな様子など) 

6 過去に自殺未遂をしている(一度、自殺を試みた人は繰り返すことがあります) 

7 身の回りを整理している(大切にしていたものや手紙や写真を捨てているなど) 

8 食欲がない(極端に食べる量が少なくなっているなど)

 

あせらずゆっくりとサポートすることが大切

「自殺したい」という考え方を自分だけの力で修正するのはなかなか難しいため、身近な人のサポートがとても大切になるという大美賀氏。上記のようなサインに気づいたら、その人の行動を注意深く見守り、早めに精神科での治療をスタートさせること、家族やパートナーが一緒に受診し、サポートする側の心得や処方薬の服用方法などを確認したほうがよいという。

 

大美賀氏によると、実は治療を経て回復しかけた頃がもっとも自殺の危険性が高いという。職場復帰の時期が早すぎたり、復帰後の対応がうまくいかないと、うまく回復できず、急に絶望が深まって発作的に自殺したくなることも多いのだという。本人が元の生活ペースに早く戻りたいとあせっても、家族はあせりを鎮めてゆっくり回復していけるようにサポートすることが大切だと大美賀氏はアドバイスしている。

  

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