読売新聞などによると、東京・明治神宮外苑のアートイベントで木製展示物が燃え、幼稚園児が死亡した火災で、植木鉢に入った投光器がオブジェ内で使用されていたことがわかった。警察の調べに対して学生は「火災のあった6日に初めて、展示物の内部で白熱電球をつけた」「作品内部で白熱球を点灯することが危険だとは思わなかった」などと話しているという。
今回の事故は、投光器の白熱電球の熱で木くずから出火した可能性があるとみられているが、白熱電球の危険性について改めて整理しておきたい。実は、普段使いの照明器具にも危険性があり、照明器具の経年劣化による火災はたびたび起きている。点検のポイントや危険な使い方について、照明デザインなどを手掛ける中島龍興氏がAll Aboutの「照明器具から出火!?火災を未然に防ぐには」で、次のように解説している。
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照明が火災や事故の原因になる、こんな使い方は危険!
スタンド器具で器具内の裸ランプは、紙やカーテンなど燃えやすいものに接触すると焦がしてしまうことがある。中島氏によると、ダウンライト器具の下面を和紙のようなもので覆っているお店などを見かけるが実はこれも危険な行為だという。
蛍光灯は白熱灯に比べ熱が少ないと思われているが、蛍光ランプや安定器の部分は火傷するほど熱くなるという。照明器具に何かを挟んだり覆ったりすると器具内の温度が上昇し、ランプの点きが悪くなったり、コードが焼けたり、最悪のケースは覆ったものが燃えやすいものだと、そこから出火し思わぬ事故に陥ることもある。照明器具を勝手に加工して使用することは絶対に避けなければならないと中島氏は忠告している。
経年劣化にも注意。10年を目安に点検・交換を
一般に照明器具の寿命は10年と言われているが、この寿命というのは1日10時間、1年3,000時間点灯した場合を基準に考えられているという。特に温度や湿度が高い場所では劣化も早まるので注意が必要だと中島氏は述べている。
点検のポイントは
- スイッチを入れても点灯しないことがある
- プラグ・コード・本体を動かすと点滅する
- プラグ・コードが異常に熱い
などで、当てはまる場合は注意が必要だ。経年劣化以外にもコードとソケット部やプラグ部の接続不良・接続がゆるい場合にもこのような現象が起こるという。汚れの付きにくい場所でも少なくとも年1回は掃除をし、掃除の際に器具に異常がないか確認するように習慣づけておくことも大切だと中島氏は述べている。
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