どれほど探究学習で成果を上げようと、評定平均値が伴わなければなかなか合格しません。
「探究学習で合格」は業者の甘いわな
筑波大学のや慶應義塾大学のSFC(総合政策・環境情報)の総合型選抜では、評定平均値が4.0以下でも合格する例がありますが、現実はそう甘くはありません。探究学習のメジャーなコンテストで賞を獲るなどの実績がないと、そうそう受かりません。実際、コンテストでの目立った受賞歴なしに合格した学生に取材をしたところ、評定平均値は「4.8」。校内順位も上位10番以内にいたそうです。
慶應SFCなどは入学後の勉強がそれなりに厳しく、2〜3割が留年するとも言われます。大学側が評定を求めるのは、「入学後も真面目に勉強し、留年せずに卒業できる」生徒を求めているからです。評定平均値は勤勉性の証明になります。
総合型選抜は「指定校に手が届かなかった生徒」の受け皿?
一方で、総合型選抜のメリットを挙げるなら、「指定校推薦ほどには高い評定平均値が求められない」という点でしょう。例えば、最難関私立大学のA大学が、各高校へ「評定4.3以上」という要件で指定校推薦を出したとします。ところが難関高校では、このA大学の枠に「誰も希望しない」というケースがよくあります。難関校で評定4.3もあれば、一般選抜でA大学に合格できる可能性が十分に高いからです。
また、高い評定を持つ生徒は国公立の大学や医学部を第一志望に据えることも多く、A大学の指定校推薦は希望しません。一般選抜であれば、国公立の大学を受験しつつ、併願でA大学を受けることが可能だからです。
しかし中堅高校の場合、A大学の指定校推薦には希望者が殺到し、校内で選考が行われます。より評定の高い生徒から選ばれるため、結果として「オール5」の生徒がA大学の指定校推薦の出願資格をとることもあるそうです。
さて、ここで難関校・中堅校を問わず、A大学の指定校を狙っていたものの、一歩手が届かなかった生徒たちが出てきます。
具体的には「難関校で評定4.0」「中堅校で評定4.6」といった層です。この「指定校推薦には届かなかったが、十分に高い評定を持っている生徒たち」が、A大学の総合型選抜に挑むことが多々あります。
評定4.0以上あれば早慶上智やICU、MARCHの総合型選抜にも出願できるからです。つまり、総合型選抜は「指定校推薦に手が届かなかった生徒」の救済制度にもなっています。



