家政学部が「最強の武器」に化けた。名門校が苦しむ中、共立女子大が“危機知らず”なワケ

「女子大の危機」が叫ばれる中、共立女子大など堅調な人気を誇る大学も存在します。なぜ明暗が分かれるのでしょうか? お嬢様大学とは一線を画す、実学系女子大の生存戦略に迫ります。(画像出典:PIXTA)

「甘やかし」とは違う、驚異の退学率の低さ

女子大のメリットとして「面倒見のよさ」をアピールすることが挙げられます。ただ、これに関しては違和感もあります。

なぜなら今、共学も面倒見がいいからです。早稲田大が放任主義だったのは遠い昔のことで今は少人数制の授業を行っています。

一方で、女子大の面倒見のよさを示すものとして、退学率の低さがあります。大学全体の平均退学率は6%で、難関大学よりも中堅層の大学のほうが退学率が高い傾向があります。

ところが、共立女子大の退学率は1.4%、実践女子大は1.22%、東京家政大学は1.5%と、難易度を考慮すると目立って低い水準です。

「専任教員それぞれが学部の学生を受け持つ担任制を導入し、定期的に面談もしています」(渡辺さん)

つまり、専任教員が自分が受け持つ学生をきめ細かくサポートしているのです。

これらの女子大と同じぐらいの難易度の共学の大学の中には、カリキュラムを緩くして、つまり勉強しなくても卒業できるようにすることで退学率を下げているケースもあります。一方で、共立女子大をはじめ女子大は、専門性があり資格試験を目指す学科が多いため、学習はしっかりさせます。

共立女子大のキャンパスでも、学生たちが課題に取り組んでいる姿が目立ち、教員が寄り添って真剣に指導する様子も見受けられました。「危機でない女子大」が、一人ひとりの学生を丁寧に指導しているのだということが分かります。

そこには「一人ひとりの女子を職業人として育てていく」という伝統があることが感じられます。

以前、ある共学の有名大学の教員が「今、うちは好調だけれども少しでも手を抜いたら落ちていく」と話していました。

有名な共学ですらそういう危機意識がある中で、女子だけを対象にしている女子大学で「危機ではない」状況を保つためには、絶えず努力をしていることが分かります。

【この記事の前編を読む】
「女子大の危機」というけれど、実際は格差あり。いま「家政学部があると強い」のはなぜか?
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この記事の執筆者:杉浦 由美子 プロフィール
キャリア20年の記者。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)、『女子校力』(PHP新書)、『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)など単著は14冊。『ダイヤモンド教育ラボ』、『ハナソネ』(毎日新聞社)『マネーポストWEB』(小学館)などで取材記事を寄稿している。趣味は取材。
大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法
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