生存戦略のカギとなった「家政学部」の進化
一方で、今、危機的な状況ではない女子大にはどんな共通点があるのでしょうか。さきほど挙げた8つの女子大の中で、東京女子大や津田塾大以外は「家政学部がある」という点が挙げられます。
家政学部は学際学部です。洋裁やデザインを学ぶ被服学科もあれば、住居設計などを学ぶ住居学科もあり、家計を扱う流れで経済学も扱ってきました。幼稚園や保育士を養成する学科を抱える家政学部もあります。
つまり、家政学部があることで、理工系である建築や社会科学である経済やビジネス系の学科や学部が設置されていったのです。
2025年11月に日本女子大が家政学部を「発展的に終了する」と発表しました。1992年以降、家政学部は各学科を学部に独立昇格してきました。現在は家政学部に「家政経済学科」「被服学科」「児童学科」が残っていますが、2027年度で同学部の学生募集を終了し、2028年度からは家政経済学科を「経済学部」に、被服学科を「ファッションデザイン学部」に、児童学科を「人間科学部」に独立させていきます。
つまり、家政学部の各学科が独立して学部を作るので、家政学部という名称はなくすということです。ほかの大学も同様で家政学部がある大学は新しい学部が作りやすく、時代に合わせたリニューアルがしやすかったのです。
一方で、教養教育に重きを置いてきた女子大の多くは文学部の単科大学なので、なかなか社会学や理系などの分野の新学部を作れず、改革に苦労をしています。
その中で、女子大の中でいち早く改革に乗り出したのが共立女子大です。共立女子大の動向をみることで「危機的な状況ではない女子大の条件」を検証していきましょう。
【この記事の後編を読む】
家政学部が「最強の武器」に化けた。名門校が苦しむ中、共立女子大が“危機知らず”なワケ この記事の執筆者:杉浦 由美子 プロフィール
キャリア20年の記者。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)、『女子校力』(PHP新書)、『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)など単著は14冊。『ダイヤモンド教育ラボ』、『ハナソネ』(毎日新聞社)『マネーポストWEB』(小学館)などで取材記事を寄稿している。趣味は取材。



