関西の京都ノートルダム女子大が募集停止を発表し、武庫川女子大は共学化を発表しました。関東の名門女子大である、フェリス女学院大や白百合女子大なども定員割れしており、メディアは「女子大の危機」を報じています。
指定校推薦で勝つブランド女子大
一方で、ある大学入試の分析会ではこんなコメントがありました。「東京女子大、日本女子大、津田塾大、共立女子大、大妻女子大、昭和女子大、実践女子大、東京家政大」の名を挙げ、こう指摘したのです。
「これらの女子大は一般選抜での志願者は減少しているが、定員は充足しており、危機的な状況にない」
なぜ、志願者が減っても「危機ではない」といえるのか。それは、これらの女子大にはブランド力があり、一般選抜以外の「指定校推薦」で確実に学生を確保できているからです。
大学入学者全体のうち過半数が推薦入試を経ている中で、「総合型選抜が主流になる」とインフルエンサーが拡散していますが、これには誤解があります。推薦入試が拡大する中で、数が増えたのは指定校推薦です。
中堅高校の生徒の多くは指定校推薦で大学に行くことを目指します。そうした中堅高校にはたくさんの指定校推薦の枠が来ます。
その中で生徒に選んでもらうのはそれなりに難しいことですが、先に挙げた女子大群はちゃんと生徒や保護者に選ばれているわけです。
同じぐらいの難易度の共学に比べて、これらの女子大は就職が好調で面倒見がいいので選ばれます。「女子大の危機」といいますが、実際には危機的な状況の女子大もあれば、そうではないところもあるのです。
「エリートの妻」養成モデルの終焉
さて、定員割れしている女子大と、そうではない女子大の差はなんなのでしょうか。ある大学関係者がこう言いました。
「名門のミッション系の女子大は外交官の夫人を養成する大学と言われていました。ゆえに英語教育に力を入れていました」
かつてはこういった「語学教育に力をいれて外交官や商社社員の妻を養成する」女子大が人気で、偏差値も高い時代がありました。当時の女子学生の中には目標を「エリートとの結婚」と定める人も多かったからです。
エリート男性と結婚するためには教養が必要です。教養がないと相手の男性が会話を楽しいと感じないし、生まれてきた子どもを育てるにも教養が必要だからです。そのために教養と語学を身に付けられる女子大が人気でした。
しかし、時代は変わっています。先日、ある女子大の教授と話しましたが、こう言っていました。
「今の女子学生はエリートとの結婚を目標にしません。それを狙う層がいるとしても東大や慶應に進学するんじゃないでしょうか。かつて盛んだった東大や慶應と女子大のインカレサークルも風前のともしびですよ」(女子大関係者)
そのため、京都ノートルダム女子大をはじめとする教養系の女子大は苦戦を強いられます。



