9割の国民が「愛子天皇」に賛成し、解決策は目の前にあるのになぜ政治は動かないのか。多くの国民が抱く疑問と、皇室に迫る危機の正体を、皇室研究者・高森明勅氏の著書『愛子さま 女性天皇への道』から一部抜粋し、紹介します。
女性皇族は天皇になれない
日本は今、さまざまな課題をかかえています。しかし、その中でもとりわけ重い意味を持つひとつは、皇室が存続の危機に直面していることではないでしょうか。日本国の象徴であり日本国民統合の象徴という憲法上、最も大切な意味を持つ「天皇」という地位を継承する皇族が、やがて誰もいなくなってしまうかもしれない、という問題です。
これは誇張して言っているのではありません。目の前の皇室の実情を見れば、誰でも気づくはずです。
天皇陛下より若い世代の皇族の中で、天皇として即位する資格を認められている皇族は、いったい何人いらっしゃるか。宮家として筆頭の位置にある秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下たったおひとりだけです。
天皇陛下と同じ世代の秋篠宮、同妃両殿下より年齢がお若い皇族は、悠仁殿下以外にも合計で5人いらっしゃいます。しかし、それらの方々は皆さま、内親王か女王。つまり女性です。
ところが、今の皇位継承のルールでは「女性天皇」は認められていません。ですから、女性の皇族方は皇位継承の資格をお持ちでないのです。
それどころか、結婚されると、皇族の身分から離れられて、皇室から出ていかれるルールになっています。すると、どうなるか。厳しい現実が浮かび上がります。
目の前にある皇室の危機
今後、女性皇族が結婚されるというご慶事があるたびに、皇室から若い女性皇族が次々といなくなってしまう。もしもご独身として皇室に残られても、当然ながらお子さまは生まれません。その結果、今のルールのままだと、いずれ皇室には悠仁殿下おひと方しかおられなくなってしまいます。そういう未来がはっきりと見えてしまう。
こんな状態だと、言いづらいことですが、悠仁殿下のご結婚のハードルはかなり高くなってしまうのではないでしょうか。
しかも先に触れたように、今のところ皇位継承資格は男性にしか認められていません。そうすると、悠仁殿下のご結婚相手は必ず男子を生まなければならない。
もしもその方が男子を生まなければ、皇室そのものを途絶えさせてしまう——という、想像を絶するような重圧を避けることができません。そんなことが“あらかじめ”分かっていれば、どうなるか。ご結婚はさらに至難になりかねません。
失礼ながら、万が一、悠仁殿下が生涯、ご独身を通される事態になれば、現在のルールによる限り皇室は完全に行き詰まってしまいます。
そんな局面に立ち至っても、女性皇族方がご結婚によってすでに皇室から出られた後では、もう間に合いません。いったん皇族の身分を離れられた以上、再びもとの立場に戻ることはできないからです。
皇室の危機は遠い将来の話ではありません。すぐ目の前に迫っている危機なのです。



