習近平の正体は「小心者」? 中国通が読み解く、強気な発言と裏腹な“震える本音”

中国人は自分たちを「強者」だと思っていない? GDP世界2位になっても拭えない「弱者意識」と、習近平を支配する意外な「臆病さ」。強気な態度の裏にある、知られざる心理を解説。(画像出典:PIXTA)

画像はイメージ(画像出典:PIXTA)
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GDP世界第2位の経済力を持ち、軍事的にも威圧感を強める中国。しかし、その内実をのぞくと、国民も官僚も、そしてトップの習近平さえもが「自分たちは弱者だ」という意識に怯えていました。

一方の日本もまた、歴史的な中国への恐怖心と、アメリカへの複雑な感情を抱え続けています。

両国が、実は「弱者 vs 弱者」の関係にあるとしたら……? 「中国通」ジャーナリスト・武田一顕氏の著書『日本人が知っておくべき中国のこと』(辰巳出版)より、日中関係の裏にある意外な真実に迫ります。

中国と日本は、弱者VS弱者か?

中国のGDPは世界第2位です。1952年のGDPは679億元でしたが、改革開放政策が実施された1978年には3679億元に増え、2023年には126兆元を超えました。普遍価格で計算すると、その伸びはおよそ224倍です。

また、世界経済に占める割合を見ても、1978年に1.7%だった割合が2023年には17%となり、1979年から2023年までのグローバル経済成長への寄与度は年平均24.8%で、世界トップでした(日経BP総合研究所の調査による)。

それでもきっと多くの中国人は、国家の経済力が強いとは思っていません。

口では、自分たちの国が最高だと言いますよ。偉そうな態度もとるでしょう。でも、潜在的には自分たちが強者とは思っていないのです。

中華人民共和国は言うまでもなく社会主義国家です。1960年代から70年代にかけて毛沢東が文革で大失敗。経済力は大いに衰退しました。

その後は鄧小平や江沢民が、社会主義に資本主義を継ぎ足して継ぎ足して、なんとか国をやりくりしてきました。自分の国の社会主義経済が脆弱であるという自覚を持っているのです。

中国に賄賂が横行するのも、そのあたりに原因があると私は感じています。

地方の政府は日本円にすれば、数十億円、数百億円で土地を払い下げ、その内の何パーセントかが役人にキックバックされて、ポケットに入れてしまう。

政府が取り締まっても取り締まっても解決しません。今も毎週のように官僚の汚職が報道されています。これは、官僚たちに、自分たちは弱者でいじめられているから、策を講じなくてはいけない……という考えが常に根底にあるためで、自分の身を守るために蓄財しているのです。

その一方で、日本の側も中国にいじめられているという潜在意識に苛まれているふしがあります。

もう一方の弱者──日本の恐怖心

日本は隋(ずい)の時代に、中国の文化、技術、制度などを学ぶため、600年から遣隋使を送っています。630年からは唐の時代の中国に遣唐使を送っています。小さくてやせっぽちの日本には、漢字をはじめ様々なものを中国から吸収してきた歴史があります。

一方で、元寇(げんこう)により、日本が亡国の危機に立たされた経験もあります。

とにかく、中国は数千年の間、日本より先進的な国であり、日本にとって脅威だったわけです。ルサンチマン体質の中国は日本を警戒している。日本の歴史からいうと日本は常に中国への恐怖がある。お互いがけん制し合っているのです。

視点は変わりますが、中国人たちには、日本がアメリカと親しくするマインドが理解できないようです。

日本はアメリカに原爆を落とされ、広島で約14万人、長崎で約7万人が亡くなっています。沖縄では地上戦が展開し、約18万8000人が亡くなりました。そのうち9万4000人は一般の住民です。

その後、占領政策を続け、今でもアメリカの日本での横暴な振る舞いは続いていると中国人は考えます。

それなのに、なぜアメリカの言いなりなのか、とよく聞かれます。

その後も日本の自動車に輸入規制をかけたり、アメリカに厳しい態度をとる政治家が失脚させられたりしているのに、なぜ反発しないんだ、と首をかしげます。
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フセイン、カダフィの二の舞か。習近平が恐れる「自らの末路」
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