現在大ヒット公開中の映画『シン・ウルトラマン』。関連書籍『シン・ウルトラマン デザインワークス』に収録された企画案などの情報によると、全三部作として『続・シン・ウルトラマン(仮題)』『シン・ウルトラセブン(仮題)』が構想されていたことが明らかになり、今後の展開についてウルトラシリーズファンの期待が高まっています。
そこでAll About編集部では、『ウルトラセブン』(1967~1968年放送)の中で好きなエピソードについてアンケート調査を実施。2022年4月5日~5月12日の期間、インターネット上で140人から回答を得ました。人気上位に選ばれたのはどのエピソードだったのでしょうか。
第3位 「ノンマルトの使者」
第3位には、特撮の枠を超えて高く評価され、現在に至るまでさまざまな議論を巻き起こし続けている歴史的な問題作、第42話「ノンマルトの使者」(監督:満田かずほ、脚本:金城哲夫)がランクイン。
一貫して宇宙人からの地球侵略を描いてきた『ウルトラセブン』の中で、実は地球人こそが侵略者側なのかもしれない、という異色の視点を示したこのエピソードは、沖縄と大和民族の歴史(※諸説あります)や、脚本家・金城哲夫氏のアイデンティティに関連付けて語られる(※諸説あります)ことがある一方、そういった見方とは無関係とする制作者側のコメントも出るなど、多様な解釈とともに語り継がれています。
そんな同エピソードに、ファンからは「善と悪は絶対的なものではなく、いつその立場が入れ替わっても不思議ではないと考えさせる内容。とても子供向け番組だったとは思えない深い内容だった」「地球人こそが、実は侵略者という設定が衝撃だった」「人類の防衛行動は、実は侵略ではないかという視点が重厚感があった」といった声が寄せられました。
一方で、「アンヌの水着姿が忘れられない」といったほのぼのコメントや、ファンの間でも賛否が分かれる人類側の攻撃について「キリヤマ隊長の行動が素晴らしいです」と支持する声など、文字通り多様な意見が集まっています。
第2位 「史上最大の侵略(前・後編)」
2位には、最終エピソード(第48話、49話)「史上最大の侵略(前・後編)」(監督:満田かずほ、脚本:金城哲夫)がランクイン。
長く激しい戦いで蓄積したダメージにより瀕死(ひんし)の状態となったウルトラセブン(モロボシ・ダン)が、ウルトラ警備隊のアンヌ隊員に自らの正体を告白し、最後の戦いに向かう場面は、今も特撮史上最高峰の名シーンとして語り継がれています。
ファンからは、「アンヌに正体を打ち明けて変身するシーンは涙が出ます」「セブンが宇宙人とアンヌ隊員にだけ告白してM78星雲に帰ってしまうしまうところが物悲しい」「自分がウルトラセブンなんだって明かすシーンがもう忘れられない。昭和の時代ってことを感じさせないくらい今見てもすごい名シーンだと思う」「最終回でモロボシダンが自分はウルトラセブンだと告白するシーンが衝撃的」と、告白シーンについて絶賛する声が集まりました。
また、傑作ぞろいで知られる『ウルトラセブン』の掉尾(ちょうび)を飾るエピソードだけに、「最終回は演出やストーリー、演技などすべて好き」「最終回2部作はヒーローとはということの一つの結論を見せたと思う」「最終回らしさがあり人類とウルトラセブンの共闘が熱い」と、エピソード全体を通して高く評価する声も寄せられています。
第1位 「狙われた街」
1位には、侵略者であるメトロン星人と主人公モロボシ・ダンがアパートの一室でちゃぶ台に差し向かいで話し合うシーンや、美しい夕焼けの戦闘シーンが印象深い第8話「狙われた街」(監督:実相寺昭雄、脚本:金城哲夫)が選ばれました。
『エヴァ』『シン・ゴジラ』の庵野秀明氏をはじめ、多くのクリエイターに影響を与えた実相寺監督の持ち味が存分に生かされたこのエピソード。メトロン星人とモロボシ・ダンの「ちゃぶ台」シーンは強烈だったようで、「メトロン星人の造形の美しさと、異星人とちゃぶ台をはさんで話し合う姿が印象的」「有名なちゃぶ台のシーンがやはり印象深い」「メトロン星人との古いアパートのちゃぶ台を挟んだ会話のシーンが印象的です」「モロボシダンとメトロン星人が、狭いアパートの一室でちゃぶ台を挟んで向かい合っているシーンが忘れられません」とちゃぶ台にまつわるコメントが続々と寄せられました。
とはいえ、ちゃぶ台や夕日の美しさだけでは収まらないのが、この作品の、そして実相寺監督の魔力。映像のインパクトだけではない演出やストーリーの魅力も大きく、こんな熱い長文コメントも寄せられています。
「実相寺監督独特のフォーカスと、メトロン星人の野望を追うダンの行動が渋い。ところどころにちりばめられた大気汚染や水質汚染など世情を反映した細やかな描写も印象強い。最後の格言も鮮やか。他の作品も捨てがたいが、ウルトラセブンの魅力が凝縮されている」
「子供の頃はその良さが分かりませんでしたが、当時の日本の風景と、異星人が存在する架空の世界が実相寺監督の手により絶妙なバランスでミックスされ画面いっぱいに映し出されます。どこか牧歌的な雰囲気が逆に想像を掻き立て、登場人物の言動もユニークで、見る度に新しい発見があるエピソードです」
ちなみに、このエピソードに登場するメトロン星人は、のちに実相寺監督自身の手により『ウルトラマンマックス』第24話「狙われない街」(2005年)に登場したほか、多くのウルトラシリーズに何度も登場する人気宇宙人となりました。
さて、皆さんの好きなエピソードはランクインしていましたか? 余談ですが、今回のアンケートでは「特になし」という選択肢にも票が集まりました。ただしこれは決して消極的な回答ではなかったようで、「基本的にどのストーリーも面白かったと思います」「だいたい面白かった」「全般的に見ていたのでどの話が好きなどはない」と、「全エピソード推し」とでも言うべき思いのこもった「特になし」であったことも最後に言い添えておきます。
※コメントは回答者ママ
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