
世界最大規模の世論調査会社イプソスは、日本を含む世界31カ国2万3228人を対象に実施した「ポピュリズム」に関する調査結果を公表しました。今回はその中から、「政治家に見放されている」と感じる人が多い国ランキングを紹介します。
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日本の“政治への期待度”は9年で低下
「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と感じている日本人は68%に達し、31カ国の平均である64%はわずかに上回ったものの、9年前と比べて約1.7倍に。調査国の中で14位にランクインしました。2017年にアメリカでドナルド・トランプ氏が大統領に就任。10月の衆院選では自由民主党が大勝して第4次安倍内閣が発足しました。2019年5月には「令和」へ代替わり、2020年4月には新型コロナウイルスの感染拡大による初の緊急事態宣言が出され、日本に限らず世界中が今までに経験したことのない不安と恐怖に襲われました。
社会全体を揺るがす事態が次々と起こった9年間で、日本国内では政治や社会に期待を持てない人が増加していることがうかがえました。
2位:南アフリカ
2位は、南アフリカ。「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と感じている南アフリカ人は77%に達しています。豊富な鉱物資源に恵まれ、アフリカ大陸最大の経済大国でありながら、特に黒人における高い失業率、電力不足、貧富の格差などが長期的な課題となっています。1位:ペルー
1位は、ペルー。「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と感じているペルー人は他国に比べて圧倒的に多く、85%に達しています。本調査開始時期の2016年から大統領が短期間で数回交代し、政治家による汚職や不正行為などの政治スキャンダルが頻繁に発生し、不安定な状態が続いています。国民の政治不信が募る中で経済格差や教育を巡る問題など社会不安も広がり、2026年4月に実施予定の次期大統領選挙に注目が集まります。
この記事の筆者:福島 ゆき プロフィール
アニメや漫画のレビュー、エンタメトピックスなどを中心に、オールジャンルで執筆中のライター。時々、店舗取材などのリポート記事も担当。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は6年。