パソコンのセキュリティー対策をしたいです。内側のカメラにテープを貼っておけば万全でしょうか?

時々見かける、パソコンの内側のカメラにテープを貼っている人。実際のところ、セキュリティー対策としてどの程度意味があるのでしょうか。「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。

パソコンのセキュリティー対策、「カメラにテープ」って実際どう?
パソコンのセキュリティー対策、「カメラにテープ」って実際どう?
ノートパソコンでの盗撮を避けるため、内側のカメラにテープを貼っている人を時々見かけますよね。セキュリティー対策として、実際のところどうなのでしょうか。

「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
 

(今回の質問)
パソコンのセキュリティー対策をしたいのですが、内側のカメラにテープを貼っておけば万全でしょうか?

(回答)
パソコンのカメラにテープを貼ること自体はセキュリティー対策ではありません。実際のところ、パソコンのセキュリティー対策は多岐にわたるので、何かをやったら万全ということはないです。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

危険な状態に逆に気付けなくなることも

パソコンがマルウェア(コンピューターウイルス)などに感染し、ウェブカメラで隠し撮りされるかもしれない……そのような心配を抱えている人が、パソコンのカメラにテープを貼って予防するというセキュリティー対策をすることがあるようです。実際にそのような目的でテープを貼る必要があると考えているのなら、カメラ機能自体を完全にオフにできる製品、あるいはカメラにシャッターがついている製品を選びましょう。

とはいえ、カメラレンズをふさぐことで防げるのは盗撮だけで、マイクは塞いでいないので盗聴はできてしまいます。テープを貼ることでカメラ動作を示すランプが見えなくなり、危険な状態に気づけないこともあります。

そもそも、カメラを制御されている状況は、パソコンがマルウェアに感染している状態です。マルウェアに感染しているということは、そのパソコンが危険な状態になっていて、カメラが不正に利用される以上の、さまざまな問題が発生しているかもしれないということ。例えば、パソコン内のデータを盗む、そこからアクセスできるさまざまな組織のネットワークに侵入する、ランサムウェアを仕掛けるといった被害が発生する可能性もあります。

つまり、カメラにテープを貼って盗撮を防止するのは、窓の鍵をせずカーテンだけ閉め、覗けないようにしただけで満足した状態ということ。知らないうちに窓から泥棒が入っているかもしれず、何かが盗まれたり、他の盗聴器などが仕掛けられているかもしれないのです。

セキュリティー対策の基本は?

パソコンのセキュリティー対策の基本は、OSの定期的なアップデートです。その上で、使用しているソフトウェアのアップデートや、パソコン自体の各種ファームウェア、ドライバなどのアップデートを行い、必要に応じてセキュリティーソフトを導入しましょう。

また、一見問題ないように見える便利なソフトウェアやウェブブラウザの拡張機能に、不正な機能が含まれているようなこともあります。例えば、裏側で入力したキーを保存していたり、フィッシングサイトへ誘導させるなど、さまざまな事例が実際に報告されています。その中には、カメラで盗撮を行うようなものもあるかもしれません。信頼できるソフトウェアだけインストールしましょう。その上で、不審なリンク、ファイルを判断できるようにするなど、セキュリティーのリテラシーを上げることが重要です。

もちろん、急にカメラが動作して間抜けな表情の顔が撮影されるのを予防するために普段カメラシャッターを活用するのは有効といえるでしょう。ただしそれ以上に、基本的なセキュリティー対策を普段からしっかり行うことが重要なのです。
 
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この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
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