博物館や実験教室などの実体験は?
「教科書で勉強するのと、現地で体験するのは全然違います。できる限り、親子で色々なところへお出かけしました」なんていう体験記を読むと、すごいなあと思います。オトクサ家の場合、旅費も時間もなく、これといった実体験はしていませんでした。知育教育や過去問の2周目と同様に、実体験は「やらないよりやった方がいい」という考えです。博物館や実験教室などの実体験は、確かに子どもの知識や経験につながるでしょう。ただ、そんな余裕があるご家庭は一握りなのではないでしょうか。
私は、現場で見たり聞いたりする以上に、それについて親子で会話をすることが重要だと考えています。極端に言えば、YouTubeでも、図書館にある図鑑でもいい、親子で一緒に見て会話できれば十分なのではないでしょうか。
実際にオトクサ家で行った工夫をご紹介します。小学6年生になる前の春休みに、オトクサと長男で「1日図書館デー」を作りました。目的は、ビジュアルでわかりやすい理科の図鑑や参考書を読み漁ることです。単元をひと通り終えて、問題集でさまざまな出題パターンを味わったこの時期だからこそ、あえて理科を視覚で振り返る機会を設けました。
オトクサ家の1日図書館デー
1. 受験と関連しそうな図鑑をピックアップ中学受験向けの本ではなく、春の植物だけで1冊、台風だけで1冊あるような専門的な図鑑
2. どんどん机に積み上げ、長男は写真を中心にインプット
3. オトクサは読み終わった本を随時返却しながら、新しく図鑑をピックアップ
4. 合間に長男と一緒に図鑑を読みながら会話
6年生になる前の貴重な1日でしたが、長男にとっては良い息抜きとなり、プランを立てた時から楽しみにしていました。「すごいね、この断層」「昆虫の口って全部違うんだねぇ」といった会話をしながら、楽しく1日を過ごした記憶があります。
その後、『ビジュアル理科事典』(学研)という理科図鑑の存在を知り、「最初からこれを買っておけばよかった」と思いました。中学受験に適した図鑑で、出題可能性がある写真が網羅され、丁寧な解説も記載されているためおすすめです。次男はこの図鑑を使用して勉強していますが、あえて図書館に行って図鑑を見ながら会話する1日も作りたいと考えています。
きょうだい関係をうまく勉強に取り込んで
きょうだいが多いと、「お兄ちゃん・お姉ちゃんがもうすぐ受験だから」と下の子に我慢をさせたり、勉強しやすい環境が整うように下の子と親だけで外出したりする場面もあるでしょう。それも一つの解決方法ですが、きょうだいの関係性をうまく活用して勉強に取り組む環境を整えるのも良さそうです。
『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』には、これまでの中学受験の在り方を覆すような「オトクサ流」勉強法が多数載っています。きょうだいが多いご家庭の家庭学習にも役立つ一冊です。ぜひご覧ください。
オトクサ プロフィール
1981年大阪府大阪市出身。小学生の時、自ら志願し 中学受験に挑戦し、私立の中高一貫校である清風中学校へ進学。中学・高校は塾に通わずに大阪大学に現役合格。現在、妻と8人の子どもとともに東京で暮らしている会社員。長男が塾なしで中学受験に挑戦する様子を描いたプログ『オトクサのほったらかし受験』では、子どもたちが自ら学び進めるための取り組みや、大家族ならではの日常を発信している。