中学受験の第一歩は、子どもの自学自習の環境を整えること
中学受験は「親子の受験」と呼ばれるほど、親のサポートが子どもの合否を左右すると言われています。
とはいえ、子どもが自分から進んで勉強する姿勢も中学受験には大切です。どんな環境を整えたら、子どもが自ら進んで勉強するようになるのでしょう。休憩時間に親が子どもに声をかけるポイントは?
今回は、8人きょうだいの長男が通塾なしで開成中学校へ合格したオトクサさん宅の自学自習法を、書籍『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から抜粋し、紹介します。
まずは環境を整える
目的:子どもの集中力を維持させるやり方:余計なものを机に置かない、壁に貼らない、余計な声かけをしない
ここでいう環境とは物理的に勉強に集中できる環境を整えるということです。オトクサ家は8人きょうだい10人家族で暮らしているため、勉強中にきょうだいがうるさいというのは仕方ないと割り切るしかありません。代わりに、それ以外の点で集中の妨げになるようなことは、できる限り取り除きたいと考えています。

・机の上には、手の届く範囲には何も置かない
・勉強中、視界に入るところに余計なものを貼らない
・勉強の途中に飲食はしない
当たり前のようですが、多くの家庭ではあまり意識していないことなのではないでしょうか?
もちろん何も置いていなくてもぼーっとすることはあります。ただ、机の前に別の教科の問題集がおいてあったり、手がすぐ届く場所に漫画の本棚があったりしませんか? この誘惑を取り除くのも親の仕事なのかなと考えています。
また、歴史表など暗記ポスターを部屋の壁に貼ってしまいがちです。しかし、他の科目の勉強中に目に入ると、むしろ集中力の妨げになると私は考えています。算数の問題を解いていて、ふと目の前を見たら植物の一覧があったらイヤじゃありませんか?
部屋でなければいいだろうと、トイレやお風呂の壁に貼るタイプの語句や理科の暗記シートを購入したこともありました。しかし、オトクサ家の場合は以下の理由で効果がありませんでした。
・風呂に浸かりながら見上げるので首が痛くなる
・ちびっこたちがやぶる
・一瞬で景色のひとつとなり存在に気づかない
結果として、「これのおかげでいつの間にか暗記していました」といった実感はほぼありませんでした。
おやつは、「子どもの」休憩時間に
「がんばってるね〜」と妻が、寒い日の朝にココアを持って行ったり、夕飯以降におやつを部屋に持って行ったりするので、止めさせるのに毎回オトクサは必死でした。子どものがんばりを労いたい気持ちはわかりますが、そろそろ疲れたかなぁと保護者が勝手に決めるタイミングではなく、本人にとって勉強の区切りが良いタイミングで休憩をとらせ、勉強とのメリハリをつける方が良いのです。
今やっている勉強の妨げになる可能性を排除するのも、子どもの自走のお手伝いのひとつではないでしょうか。
POINT
・勉強机に座った時に、視界の範囲に置く物は必要最小限に・壁に貼る暗記系ポスターは成果につながらなかった
・休憩は、子ども自身の区切りがいいと思うタイミングで