声優の田中一成さんが10日、脳幹出血のため死去した。49歳だった。11日に所属事務所の公式サイトで発表した。
オリコンによると、田中さんはアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(オーソン・ホワイト)、『銀魂』(カトケン)、『ハイキュー!!』(烏養繋心)、『地獄先生ぬ~べ~』(木村克也)、『コードギアス 反逆のルルーシュ』(玉城真一郎)の声を務めている。
40代という若き声優が亡くなる原因となった「脳幹出血」とはどのような病気なのか。認定産業医の山田恵子氏がAll Aboutで以下のように解説している。
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脳幹とは
山田氏によると、脳幹は、生命を維持するのに必要な脳の一部で、
- 中脳
- 橋
- 延髄
という部分にわかれていると山田氏は説明する。これに間脳という場所を加える場合もあるという。
ここには、呼吸や体温、心臓の働きを制御する中枢、つまり「生命維持中枢」があると山田氏は述べる。ちなみに、脳幹全体が機能しなくなると脳全体が機能しなくなるため、いわゆる「脳死」という状態が起こるという。
脳幹出血は脳出血の一つ
脳幹は脳の一部であるため、「脳幹出血」は、脳の中の血管が破れて出血が起こる病気である「脳出血」の一種と山田氏は述べる。
山田氏によると、脳出血の原因として一番多いのは高血圧という。高血圧では、常に脳の血管に圧力がかかっている状態になるため、脳の血管に負担がかかり、コブのようなものができたり、破れやすくなったりするという。また、年齢を重ねると血管自体がもろくなるため、血管が破れるリスクがさらに高くなるといい、年配の方が脳出血になりやすい傾向があると山田氏は説明する。
どのような症状が起こるか
脳出血の症状は以下のようなものがあるという。
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 手足の麻痺
- 意識障害
脳幹出血の場合は、脳幹部は呼吸をつかさどるところで発生する脳出血であるため、一気に大量出血が起こると、呼吸が止まり、発作後数分で死に至ってしまうこともあると山田氏は指摘している。
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