
「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
パソコンの更新が終わりません。つい一度電源を切りたくなってしまうのですが、問題ないですか?
(回答)
パソコンの更新にはいくつかの種類がありますが、基本的に更新中には電源を切らないでください。何も動いていないように見えて実は更新作業中で、途中で電源を切ると二度と起動しなくなってしまうこともあります。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
更新中に電源を切ってはいけません
パソコンなどのIT機器は定期的な更新作業が必要になります。更新の目的は、ソフトウェアなどの不具合修正や、新しい機能の追加などです。更新は内容によりますが、すぐに終わることもあれば、かなり時間がかかることも。その際、「いつになっても終わらないから」と更新中に電源を切ると、更新途中の中途半端な状態で終わってしまい、プログラムが壊れてしまい二度と使えなくなってしまうことがあるので注意が必要です。どの程度注意が必要かは、更新の種類によります。WordやExcelなどのソフトの更新途中に動かないように見えて、電源を切って電源を入れ直した場合、最悪の場合は更新途中のソフトが動かなくなってしまうことも。再度動かすようにするのは大変ですが、パソコン自体は通常の場合問題なく動作します。
一方で、ドライバやOSのアップデート中に電源を切ってしまうと、パソコンが起動しなくなることがあります。起動できても特殊なモードでしか動かなくなり、復旧にかなり時間がかかってしまうこともあるのです。そして最悪なのが、ハードウェアのファームウェア更新途中に電源を切ってしまうこと。多くの場合、パソコンが起動すらしなくなり、メーカーに修理対応してもらう状況になってしまいます。
更新にかかる時間はどれくらい?
更新にかかる時間は、更新内容や利用状況によって変化します。一般的にはOSの更新のような、更新内容が大きいものほど時間がかかり、場合によっては数十分かかることも。例えば、Windows 10からWindows 11にアップグレードするような、大きなOSの更新にはかなり時間がかかります。一方でソフトの更新は1分もかからず終わることもあります。更新を始めたはずだけどまったく終わらない場合でたまにあるのが、別のウインドウでの更新操作が必要なケースです。更新自体が始まらないような場合は、別のウインドウが開いていないかなどを確認してください。
更新が終わらない場合の対応方法
更新が終わらなくなってしまった場合の対応方法は、基本的に待つのみです。更新画面が表示され、実際に作業が進んでいることが見えているのなら、じっくりと待ってください。一方で1時間程度待ってもまったく何の進展もない場合は、更新に何らかの問題が発生しているかもしれません。そんな場合でも、パソコンが異常に熱くなっているなど、更新中に不具合が明らかな場合を除いて、電源を切るのは最終手段にしましょう。
まったく反応しない状態が数時間続いている、何を操作しても動かないなら、最終手段として電源を切ります。更新中に電源を切って、二度と使えなくなってしまうリスクなどさまざまな状況に備えるために、パソコンのデータは普段からしっかりとバックアップをしておきましょう。もし何度やってもそのような状態になるのなら、さまざまな問題が考えられ、簡単には解決しないことがほとんどです。その場合は、パソコンメーカーのサポートなどに相談することをおすすめします。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。