学級崩壊が起こりやすいクラスの特徴って何? 元教員が教えてくれた「2つのポイント」

子どもたちが私語をしたり、勝手に教室を歩いたりと、学習環境が整わなくなる学級崩壊。どのようなクラスで起こりやすいのでしょうか。元小中学校教員であり、「All About」子育て・教育ガイドである坂田聖一郎が解説します。

学級崩壊が起こるクラスの特徴ってありますか?
学級崩壊が起こるクラスの特徴ってある?
学級崩壊とは、教師の指導が効かず、授業が成立しない状態が続くことを指します。子どもたちが私語をしたり、勝手に教室を歩いたりと、学習環境が整わなくなるのが特徴です。では、どのようなクラスで学級崩壊が起こりやすいのでしょうか。

元小中学校教員であり、「All About」子育て・教育ガイドの坂田聖一郎が解説します。
 

(今回の質問)
学級崩壊が起こるクラスの特徴ってありますか?

(回答)
大きく分けて2つあります。1つ目が「担任の指導における選択ミスの積み重ねで生徒との信頼関係が築けていない」ということ。2つ目が、「規律が乱れて学習環境や時間を守る意識がルーズになる」という点です。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

学級崩壊が起こるクラスの特徴

学級崩壊が起こるクラスにはその兆候が必ずあります。今回は例として2つ紹介しましょう。

先生と生徒の信頼関係が築けていない

学級崩壊が起こる最大の原因は、担任の先生と生徒との信頼関係ができていないこと。そしてその要因は、担任の指導における選択ミスが重なることだと考えています。例えば、子どもを指導する場面では、優しく声をかけるべきか、厳しく叱るべきか、あるいは見逃すべきかなど、その時々でベストな対応が求められます。

もちろん、常にベストな指導ができるわけではありませんが、うまくいっていないのに同じパターンで指導を続けてしまうと、子どもと教師の信頼関係が崩れて学級崩壊のきっかけとなります。一方的に指導をするのではなく、子どもたちの反応や伝わっているかをみておく必要があるのです。

規律が乱れて学習環境や時間を守る意識がルーズになる

指導における選択ミスが重なり、生徒との信頼関係が崩れてしまうと、以下のような現象も起き始めます。

・休み時間が終わっても教室に戻らない子どもが増える
・教師自身も授業の開始・終了時間を守らなくなる
・教室にゴミが落ちていても誰も気にしない
・整理整頓がされておらず、雑然とした教室になる

上記のように学級崩壊を起こすクラスは、時間と環境から乱れていきます。このような状況が続くと、子どもたちは「ルール違反は大丈夫」という意識を持ちやすくなるのです。その結果、他の規律も次第に崩れ、学級崩壊へとつながってしまいます。

学級崩壊を防ぐために“今”できること

ここからは、学級崩壊を防ぐために教員にできることについて考えます。

筆者は、学級崩壊は日頃の小さな工夫で防げると思っています。子どもたちの様子を観察し、双方のコミュニケーションの時間を作るなど、一方的な指導にならないようにすることで信頼関係構築につながるのです。また、授業前のほんの数分でいいので教室を整える時間を作り、全員でゴミを拾ったり机の位置を整えたりするだけでも、クラスの雰囲気は変わります。うまくいっていないと感じた場合は、いつもなら叱る場面で、あえて優しく声をかけてみるなど、自分の指導パターンを意識的に変えてみることも有効です。

学級崩壊はどんなクラスでも起こりうること。だからこそ、担任は小さな兆候を逃さず気づいた時点で軌道修正することが求められます。
 
この記事の筆者:坂田 聖一郎
大学卒業後、芸人を目指し現在「しずる」村上純とコンビ結成するも解散。その後、教員を13年間経験。独立し「株式会社ドラゴン教育革命」を設立。「学校教育にコーチングを」をスローガンのもと、「ままためコーチング塾」をスタート。子育てや家事で忙しいお母さんや教員にも親しみやすい丁寧な指導が好評。
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【図で見る】学級崩壊が起こるクラスの特徴2つ
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