
成績や生活態度? それとも、友人関係や先生とのやりとり? 問題行動も?
今回は、先生間の引継ぎ資料の内容と目的について、元小中学校教員であり、「All About」子育て・教育ガイドの坂田聖一郎が解説します。
(今回の質問)
次年度の担任への引継ぎ資料には何が書いてある? 「この子には要注意」みたいなことも載っているんですか?
(回答)
次年度の担任への引継ぎ資料には、学力、リーダー性、特技、保護者との関係性、過去のトラブル、配慮事項など、クラス運営に必要な情報が記載されています。
引継ぎ資料の目的と内容は?
引継ぎ資料は、前年度の担任がクラス運営に直結する子どもたちのさまざまな実態を記録したもの。新担任は引継ぎ資料を通じて子どもの状況を把握でき、新しいクラスでのスムーズな指導・運営に生かされます。具体的には、以下のようなクラス運営に欠かせない情報がまとめられます。
・リーダー性:学級委員やクラブ活動での役割など
・学力:定期テストの結果や日々の学習状況
・特技:スポーツや芸術面の得意分野、表彰経験など
・保護者について:保護者の要望、保護者間トラブルなど
・過去のトラブル:いじめや問題行動など
・配慮事項:発達障害や病歴、家庭の様子、子ども同士の関係性など
「要注意人物」の記載はあるの?
では「要注意人物」といった記載があるのか詳しくお伝えしましょう。結論から言うと、あります。
もちろん、「要注意人物」と直接的な書き方をする学校は少ないと思いますが、配慮の必要な子どものことは必ず引継ぎをします。例えば、子ども同士の相性の悪さや、いじめ、不登校、学習態度などの懸念事項がある場合には、その経緯や対応状況を詳しく記載します。こうした情報のおかげで、新担任は子どもたちの背景を早い段階で把握し、トラブルの再発を防ぎながら、一人ひとりが過ごしやすい学級づくりを進めやすくなるのです。
次年度への引継ぎで大切な教師の心構え
ここからは実際に教員として働いている人へ向けて、大切な心構えをお伝えします。それは、引継ぎ資料をもとにクラス運営をスタートする際、新担任はまず「先入観を持ち過ぎない」ようにすべきということ。もちろん、引継ぎ資料は、学級づくりをスムーズにするものですが、その反面、子どもたちは日々成長し変化するため、前年度の評価だけで指導方針を決めてしまうのは避けた方がよいでしょう。
前年度の担任が記録してくれた情報を活用しながらも子ども一人ひとりを新鮮な目で見つめ、柔軟かつ丁寧に指導していくことが、教師としての心構えといえるでしょう。
この記事の筆者:坂田 聖一郎
大学卒業後、芸人を目指し現在「しずる」村上純とコンビ結成するも解散。その後、教員を13年間経験。独立し「株式会社ドラゴン教育革命」を設立。「学校教育にコーチングを」をスローガンのもと、「ままためコーチング塾」をスタート。子育てや家事で忙しいお母さんや教員にも親しみやすい丁寧な指導が好評。
大学卒業後、芸人を目指し現在「しずる」村上純とコンビ結成するも解散。その後、教員を13年間経験。独立し「株式会社ドラゴン教育革命」を設立。「学校教育にコーチングを」をスローガンのもと、「ままためコーチング塾」をスタート。子育てや家事で忙しいお母さんや教員にも親しみやすい丁寧な指導が好評。