
「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
買おうとしているパソコンのメモリが8GBです。プライベート用なら問題ないですか?
(回答)
パソコンのメモリは基本的には大きい方がよいですが、実際にどのくらいが適切かはさまざまな条件によります。2025年現在でおすすめのメモリ量は最低16GBです。8GBでも使うことは可能ですが、選べるなら、より大きいメモリ量のパソコンにしましょう。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
Windows11の最低要件は4GB。余裕はありません
現在一般的なOSであるWindows 11のメモリ最低要件は4GBです。これは動作するための最低要件なので「その2倍の8GBなら十分だろう」「大して使わないからちょっと安い8GBにしよう」と考える人もいるかもしれません。しかしWindows 11の場合、パソコンを起動しただけでも、8GB程度のメモリをOSの基本的な部分で使ってしまうので、実際のところほとんど余裕はありません。このようにメモリが少ない状態でソフトを起動させると、とりあえず使わないソフトをメモリからストレージに移動する動作が裏で動きます。例えばブラウザとWord、Excelを同時に起動させるような、一般的な使い方でも、メモリとストレージ間でデータの移動が生じてしまいます。さらに、ほかのソフトや大きなメモリ容量が必要なソフトを動作させる場合は、この動作が増えて、徐々に動作が遅く感じるようになってしまうのです。
こういったデータの移動をメモリとHDD間で行っていた10年前のパソコンと比べると、ストレージがSSDになった最近のパソコンでは、動作の遅さを感じにくくはなっています。それでも、快適な操作感が失われてしまうのは事実です。
8GBでも問題ない場合とは?
仕事で使用する場合、例えば、WordやExcelくらいしか使わないようなこともあると思います。このように用途が限られている場合、メモリ8GBでもあまり問題を感じないかもしれません。一方、個人がプライベートでパソコンを使用する場合は、WordやExcelなどに加えて、ウェブブラウザでさまざまなサイトをみる、画像編集ソフトで編集を行う、各種ゲームで遊ぶなど、フル活用することも多いと思います。このような利用方法ではメモリ量をより多く使用してしまうので、プライベート用でパソコンを使うなら、より余裕がある16GBのモデルをおすすめします。一般的にノートパソコンのメモリは購入後に増設できないので、後で足りないことに気づいても何もできません。事前にしっかりと判断して選びましょう。
予算がどうしても少ない場合、メモリ8GBのWindowsパソコンではなく、機能が限られるがコストも安いChromebookなどを選ぶという方法もあります。とはいえ、用途がまだ決まっていなかったり、一般的にイメージする「普通の使い方」ができるノートパソコンが欲しかったりといった場合には、買った後に後悔しないように余裕のある16GBやそれ以上をおすすめします。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。