寝るときのエアコン冷房、「弱」「自動」どちらがいい? 間違えると冷えないうえに消費電力も上がる!

寝苦しい時期に悩ましいのが、就寝時のエアコンの設定。今回は、寝る際の冷房の風量は「弱」と「自動」のどちらがおすすめなのか、「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が解説します。

寝るときのエアコン設定は何がおすすめ?
寝るときのエアコン設定は何がおすすめ?
寝苦しい夜にエアコンを使う際、どのような設定にすべきか迷う人も多いはず。実際のところ、どの設定がおすすめなのでしょうか。

「All About」ガイドの安蔵靖志が、寝るときの冷房の風量について解説します。
 

(今回の質問)
寝るときの冷房の風量は「弱」「自動」のどちらがおすすめでしょうか?

(回答)
基本的に「弱運転」はおすすめしません。「自動」にしないと睡眠に支障を来す場合があります。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

「弱」では室温がうまく下がらない可能性があります

エアコンの風量を「弱」にするのは、快眠を求める意味でも節電を求める意味でもおすすめしません。

風量を「自動」にすると、室温が設定温度に近づくと自動で風量が弱まり、設定温度を保ちながら快適な睡眠環境を作り出してくれます。しかし風量を「弱」に固定した場合、設定温度まで室温がなかなか下がらず、睡眠を妨害する可能性も。また、室内を冷却する熱交換器がフルパワーで動作していても風量が弱いことでなかなか部屋が冷えにくくなるため、無駄に消費電力が上がって節電にもつながらなくなってしまいます。

活用したい「オフタイマー」機能

快眠を実現する上で活用をおすすめしたいのが「オフタイマー」機能です。和洋女子大学 服飾造形学科 水野一枝准教授の「環境温湿度と睡眠」によると「冷房は(中略)睡眠の前半、約4時間使用すると、使用しないよりも睡眠効率が改善し、後半に使用するより効果がある」とされています。また、「タイマーは少なくとも3~4時間は必要であると考えられる」ことに加えて、「睡眠に影響を及ぼさない温度の上限は28℃」とも記されています。

この解説から考えれば、快適な睡眠を得るためには、室温が28℃以下になるように設定し、少なくとも3~4時間は設定温度をキープできるようにオフタイマーを設定することをおすすめします。

また、一部の製品は「快眠モード」や「おやすみモード」といった快眠に特化した運転モードを搭載しています。これらの機能の内容はメーカーによって異なりますが、快眠が得られるように室温を徐々に下げつつ、起床時刻近くになると徐々に室温を上げてすっきり目覚められるといったものが多いようです。より快眠を得たい人は、こうした機能を利用してみてもよいかもしれません。

All About ガイドがすすめるエアコン:パナソニック「CS-PX222D」

この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
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