ハイタッチからスタート! 登場時から盛り上がる子どもたち
佐藤さんが登場したとたん、子どもたちが大盛り上がり! 「『有吉ゼミ』で見たことがある」や「『ニャンちゅう!』知ってる」など子どもたちから声があがり、元気あふれる自己紹介から授業は始まりました。佐藤さんが「ひとりになれる空間がほしい……」という思いをきっかけにトイレを好きになったことや、水槽に囲まれた(!?)名物トイレや日本最古のトイレなどの珍しいトイレの紹介など、子どもたちへの質問を交えて、授業は楽しく進みます。
日本はトイレ先進国って本当? 驚きの最新技術についてご紹介
なかでも特に気になったのは、最新トイレの技術力。もはや当たり前になった温水洗浄便座の開発秘話や、節水機能の向上により、便器洗浄に必要な水量がここ20~30年で、1回あたり8~13リットルから半分以下の4リットル弱になったことなどが紹介されます。今では、自動で温水洗浄便座のノズルを除菌したり、便器の掃除をしてくれるトイレもあるのだとか。さらに現在開発中の「スマートトイレ」なら、排泄物の成分やその回数などを分析することで、健康状態のチェックが可能に! スマートフォンのアプリに連携すれば、「水分が足りていないので、もっと水を飲みましょう」「病院で検査をしたほうがいいです」なんてこともトイレから教えてくれるといいます。
もちろん授業なので、子どもの社会科学習の側面でも充実した内容。トイレの穴の先にある水再生センターでの水の再生処理の仕組み、災害時にトイレにおいて困ることや、「SDGs目標6・安全な水とトイレを世界中に」などの世界中が協力してめざす開発目標にも触れました。世界全体でみれば100人に5人の割合である4億1,900万人は家や近所に利用できるトイレがなく、道端や草むらなどの屋外で用を足すしかないという話題では、子どもたちから「えーっ」「無理―」と困った悲鳴が上がるシーンも。
トイレは恥ずかしくなんかない!もっとみんなも楽しもう
佐藤さんが授業を通して子どもたちにもっとも伝えたいのは、常に「トイレに行くことは恥ずかしくない」ということ。佐藤さん「トイレに行くことは、寝ることや食べることと同じくらい普通で当たり前のこと。恥ずかしがって我慢したりしないで、一息つくところとしてトイレタイムを楽しんでくださいね。今日の授業についても、みんなで話したり、伝えたりしてもらえるとうれしいです」
最後に、子どもたちからの質問タイム。
「トイレっていつできたの?」「トイレに行かないとどんな病気になる? 風邪?」など素朴な質問に加えて、「トイレができない人が世界に4億人もいるのはヤバイと思ったが、そこにトイレを作ろうとする人の情熱がスゴイと思う」「トイレを好きな人が世界にいると思ったことがなかったから、本当にいてびっくりした」という無邪気な感想も。常にだれかが手を挙げ、子どもたちが積極的に参加する姿勢が続き、好評のうちに授業は終わりました。
久しぶりの出前授業の感想は?「子どもっちから出る言葉にびっくり」
出前授業を終えた佐藤さんに、授業の感想を聞いてみると……?
佐藤さん「コロナ禍の前はこういう機会も多かったのですが、対面で授業をするのは4年ぶりくらいですね。本をきっかけに、子どもたちにトイレについて直接伝える機会ができたのは、貴重なことだと思います。また、質問に対するリアクションがよかったり、子どもっちから水再生センターという言葉が出てきて優秀だなと感じたり、いろいろ勉強になりました」
トイレという身近な話題の面白さもありますが、実際、積極的に参加している子どもたちが多かったですね。
佐藤さん「今回は児童書として書いた本なので、小学生にはもちろん読んでほしい。ですが、トイレには身近だけれど大人たちも意外と知らない“職人のこだわり”などもあるので、教育関係者をはじめとする大人の皆さまにもおすすめしたいです。トイレの入門書(?)のようなものとして、ぜひ手に取ってみてもらえるとうれしいです」
子どもの学習に役立つのはもちろん、さまざまなトイレ掃除の現場を経験してきた佐藤さんによる「トイレ掃除のコツ」も盛り込んだ一冊です。気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。
佐藤満春さん プロフィール
1978年東京都生まれ。トイレ博士。名誉トイレ診断士。トイレクリーンマイスター。掃除能力検定士。2001年お笑いコンビ「どきどきキャンプ」としてデビュー。お笑い芸人のほか、放送作家や構成作家としても活動。ニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』などさまざまな テレビ・ラジオ番組の構成に携わる。
2024年7月25日発売『すごいトイレのはなし 1万以上の便器をみがきつづけて。』佐藤満春・著 伊藤ハムスターほか・絵を参照。