「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
扇風機とサーキュレーターの違いって何ですか? どちらをどう選べばいいのでしょうか。
(回答)
風に当たって涼みたいのであれば扇風機を、部屋全体の空気を循環させたり、部屋の風通しを良くして換気したい場合はサーキュレーターを選びましょう。
それぞれ役割が大きく異なります
扇風機とサーキュレーターは、その役割が大きく異なります。扇風機は風を直接人に当てて涼しく感じさせるためのもので、なるべく自然の風を再現するような羽根の形状や、自然の風のゆらぎを再現する「リズム風」や「1/fゆらぎ」のような機能を追求し、進化してきました。一方のサーキュレーターはその名の通り、部屋の空気を循環(サーキュレート)させることを目的としており、風の「快適性」よりも風の「強さ」や「直進性」を重視しています。サーキュレーターは、エアコンの風が届きにくいキッチンや部屋の隅、ロフトなどに冷たい風を届けたり、室内全体の空気を循環させることで温度ムラをなくしたり、風通しの悪い部屋の空気を強制的に循環させることで換気したり、さまざまな使い方ができます。扇風機でも同様の使い方ができないわけではありませんが、部屋の空気を循環させるような直進性の高い風を送るのはサーキュレーターの方が得意です。
最近では部屋干しニーズの上昇から、部屋干しした衣類を素早く乾かせる部屋干しモードを搭載するサーキュレーターも出てきています。
L字型のリビングやロフトがあるなどの特殊な間取りにお住まいで、エアコンの風をうまく行きわたらせたい人、「扇風機で涼みたいけど、風が直接当たるのは苦手」という人は、扇風機よりもサーキュレーターがおすすめ。扇風機も、壁に風を反射させることで、直接風を感じずに涼むような使い方もできますが、基本的には人に直接風を当てることで涼しく感じさせるものです。
いいとこ取りの「サーキュレーター扇風機」も登場
最近では扇風機とサーキュレーターのいいとこ取りをした「サーキュレーター扇風機」をうたう製品も出てきています。扇風機に比べると風の直進性が高いため、風の快適さで言えば扇風機の方が上ですが、リビング扇風機のような使い方もできるというのが大きな特徴です。冬は暖房の熱を部屋中に行きわたらせるサーキュレーターとして、夏は風を直接浴びる扇風機や、部屋の空気を循環させるサーキュレーターとして、さまざまな使い方ができるのが魅力です。コロナ禍での換気ニーズからサーキュレーターの注目度が上がったこともあり、選択肢は以前に比べてかなり増えました。それぞれ特徴が異なりますので、お住まいの住宅事情などに合った製品を選んでみてください。
All About ガイドがすすめるサーキュレーター:シャープ「PK-18S01」
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。