「All About」ガイドで、白物家電やデジタルガジェットに詳しく、企業のPR戦略やPR支援も行うコヤマタカヒロが回答します。
(今回の質問)
エアコンは「冷房」と「除湿(ドライ)」のどちらが節電になりますか?
(回答)
エアコンの除湿方式によって異なります。冷房の方が節電になる場合が多いですが、除湿の方式が「弱冷房除湿」の場合は冷房よりも電気代が安くなると考えられます。
除湿には2種類の方法があります
エアコンには弱冷房除湿と再熱除湿の2つの除湿方法があります。基本的にエントリーモデルや低価格モデルは、弱冷房除湿が多く、高級モデルになるほど再熱除湿機能を搭載しています。弱冷房除湿は名前の通り、弱い冷房運転を行うことで部屋の空気を冷やして除湿する方法。空気は気温が高いほど水分を含むことができ湿度が上がるため、室温を下げることで湿度も下げられるというわけです。電気代は安いのですが、もともとの室温が低いと除湿性能はあまり発揮できません。また、室温が下がりすぎてしまうのが欠点です。
それに対して再熱除湿は、湿度の高い空気を吸い込んで除湿したあと、空気を温めて室温が下がりにくくする除湿機能。室温を下げすぎることなく部屋をからっとした状態にできます。
節電だけを考えるなら弱冷房除湿が最もお得です
ただし、再熱除湿では空気の温め直しにヒーターも同時に使うため、通常の冷房や弱冷房除湿に比べて電気代が高くなります。最新のエアコンでは再熱除湿運転での省エネ機能がアップしており、以前より電気代はかからなくなってきていますが、冷房、弱冷房除湿と比べると電気代が高いのが現状です。以上の点を整理すると、節電性能だけを考えるなら、弱冷房除湿が最もお得で、次点が冷房となります。対して再熱除湿は、電気代はかかるものの冷えすぎることなくカラッとするため、快適性を重視した運転モードといえるでしょう。
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。