そこで、毎クールほぼ全てのドラマをチェックする元テレビ局スタッフの筆者が、オススメの夏ドラマを紹介。話題作が多い中から、4つの注目作品のあらすじと見どころを紹介します。
目黒蓮が愛の物語を描く『海のはじまり』に大注目
まず、1番の目玉として紹介するのは、Snow Manの目黒蓮さんが主演を務める『海のはじまり』(フジテレビ系)です。フジテレビの「月9」枠で放送されるドラマで、スタッフには脚本・生方美久さんら同局で人気を集めた『silent』チームが集結。毎週月曜の夜9時から放送予定で、初回は2024年7月1日となります。目黒さん演じる主人公・月岡夏は、大学生時代の恋人だった南雲水季(古川琴音)の死をきっかけに、血のつながった娘・海と出会います。夏は、別れてから7年間も会っていなかった水季が出産したことを知りませんでした。突如として現れた自分の娘を巡り、劇的に変わっていく人生を夏がどう受け止めていくかが見どころです。
主人公の夏は、都内の印刷会社で働く28歳。「んー」が口癖の少し曖昧な性格で、面倒くさいことや頭を使うことを避けて生きてきました。トップアイドルの目黒さんが、フジテレビの連続ドラマ初主演で演じる役としては、なんとも“普通”な青年になりそうです。
そして、娘・海を演じるのは泉谷星奈さんです。ここ最近では、『あたりのキッチン!』(東海テレビ・フジテレビ系)、『厨房のありす』(日本テレビ系)で主人公の幼少期役を担当。また、『silent』チームが関わった『いちばんすきな花』(フジテレビ系)では、今田美桜さんが演じた深雪夜々の幼少期を好演しています。今後に期待の天才子役となり、初めて出会う父親との生活をどのような形で見せてくれるのか楽しみです。
『silent』チーム集結に期待大!
さらに、主要キャラクターとして夏と交際中の恋人・百瀬弥生役で有村架純さんが登場。目黒さんとは映画『月の満ち欠け』で共演している仲で、コンビネーションは問題なしでしょう。この弥生がいろいろとストーリーに動きを起こしそうで、夏とは結婚も考えているという設定。愛する恋人に、突然子どもが登場する女性の思いを、どう表現するのか注目が集まります。さて、『海のはじまり』に関しては、『silent』を作り出したスタッフが、どんな形のドラマを見せてくれるのかが最大のポイントです。大きなテーマは“親子の愛”で、脚本の生方さんが手掛けたキャッチコピーは「選べなかった“つながり”は、まだ途切れていない」というもの。つながりが重要なキーワードとなり、さまざまな登場人物の親と子、恋人、兄弟などの「つながり」を描くことが予想されます。
また、主人公の夏が“いたって普通の青年”に設定されているのも気になるところ。「普通」の主人公はドラマで描くことは難しいですが、そこは『silent』を生み出したチーム。登場人物のリアルな感情を描きながら、新しいドラマの形を提示してくれることでしょう。