篠原涼子さん、バカリズムさんが共演するドラマ『イップス』(フジテレビ系)。6月7日に放送された第9話のストーリーをおさらいしつつ、SNSで話題のコメントとともに今後の見どころを紹介します。
第9話のあらすじ
今回の犯人は“何をやっても運のない男”、宮永隆一(萩原利久)。友人の大城俊(三浦獠太)と起業したものの失敗し、現在は建設作業員として働き、闇金から200万円近い借金をするうだつの上がらない日々。ある日、消費者金融の佐久間康(ニシダ・コウキ/ラランド)が借金取りに現れて逃げるも、追い詰められ暴行を受け、無我夢中で傍にあったレンチを振り回したところ佐久間の頭に当たり殺害してしまいます。
逃げ出そうとした宮永は道路に飛び出した瞬間車に跳ねられ、目を覚ますと動画配信で人気のマジシャン・赤影(本多力)の自宅に。100万円を差し出し事故を隠蔽(いんぺい)しようとした赤影は、ニュース速報と宮永が落とした血のついたレンチを見て犯人だと気付き動揺。逃げようとした拍子に転んでテーブルの角に頭をぶつけて死んでしまいます。
宮永がその場から逃げようと家を出た時、黒羽ミコ(篠原涼子)と非番の刑事・森野徹(バカリズム)が赤影の取材に訪れます。宮永は赤影の死体を隠し、彼になりすましてミコたちの取材を受けることに。違和感と矛盾を感じ怪しむミコと森野。そんな中、森野に相棒刑事・樋口一之(矢本悠馬)から佐久間の遺体が発見されたと連絡が。ミコと森野は宮永の死体隠しのトリックを見破り、観念した宮永は犯行を自供します。
全て“運が悪い”ことを言い訳にしていた宮永に、取材中に見つけた宝くじの当選を伝えるミコ。どうせ当たらないと決めてかかり当選を見逃していた宮永は、「運が悪いのではなく、そう思い込んでいた自分のせい」とこぼすのでした。一方、森野から指示を受け、ミコの弟で弁護士の慧(染谷将太)を探っていた樋口は、慧が「歪な十字架模倣殺人事件」の犯人と接見していたと語り――。
犯人の“不運”という思いこみをミコの格言が解きほぐす
冒頭から萩原利久さん演じる宮永の“ツイてなさ”満載で物語が進み、そのあまりの不運さが気の毒ながらもコミカルで楽しめた第9話。事件解決後にミコが犯人にかける言葉は、毎度犯人が抱える背景や心情に寄り添った格言的な内容ですが、今回の宮永の“気付き”は視聴者の共感を呼んだ様子。
X(旧Twitter)では、「不運すぎるw」「不運だし痛そうだし可哀想なのに空回りする様子が可笑しくて!面白かった」などの声が寄せられる一方、「諦めに慣れてどうせ…という思い込みから起きた出来事。なんかハッとさせられた」「実際に不運であるのはそうだけど、見方を変えれば多少は幸運とも取れるのかもね。そしてその判断が一生を分ける」「何事も捉え方次第」といったコメントが続出しています。
森野を伴い取材を続けるものの、いまだ執筆には至らない“書けない”ミステリー作家のミコ。一方で、着実にイップス発動の回数が減り、調子の良さを見せる“解けない”刑事・森野。2人をイップスに陥らせた「歪な十字架模倣殺人事件」の冤罪(えんざい)疑惑と、事件を調べ続ける慧。ミコたちが出くわす1話完結型の事件と合わせて、クライマックスへ向け物語がどう絡んでいくのか注目です。
『イップス』あらすじバックナンバー
・第8話・第7話
・第6話
・第5話
・第4話
この記事の筆者:地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWeb戦略コンサルティングも行う。