お笑い芸人・とにかく明るい安村(34)が28日、持病の椎間板ヘルニアが悪化し、入院したことを自身のツイッターで明らかにした。安村は、数日前に強い痛みを訴え、痛み止めのブロック注射を打っていたが、この日の朝、痛みに耐えきれず救急車で病院へ搬送され、そのまま2週間入院することになったという。
北海道出身で北海道日本ハムファイターズファンを公言する安村は、同チームの4年ぶり優勝が決まった時も、ツイッターで「優勝ー!!!!やったー!!!優勝だー!!!!腰いてぇ」と腰の痛みを訴えていた。
安村が痛みを感じている腰の椎間板ヘルニアとはどのような症状で、どのように治療をしていくのか。形成外科専門医の井上義治氏がAll Aboutで以下のように解説している。
**********
椎間板ヘルニアとは
井上氏によると、椎間板は脊椎と脊椎の間にある軟骨組織で、中心が柔らかい髄核と、繊維性軟骨組織からなる繊維輪で構成されているという。
この繊維輪が破れ、髄核が外側に飛び出ると炎症が発生する。さらに髄核が脊髄や神経根を圧迫すると、疼痛やさまざまな神経症状が出現するといい、これが椎間板ヘルニアであると井上氏は説明する。腰に発生した椎間板ヘルニアを腰椎ヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)、首に発生した椎間板ヘルニアを頚椎ヘルニアと呼ぶという。
椎間板ヘルニアの症状・診断
井上氏は腰椎ヘルニアの症状として、間欠性跛行(しばらく歩くとしびれや痛みが生じ、少し休むと治る)、腰痛、下肢のしびれ、下肢の筋力低下、直腸膀胱障害(排尿、排便の障害)などがあるという。腰椎ヘルニアは、レントゲンとMRIで診断する。
腰椎ヘルニアの治療
腰椎ヘルニアでは以下のような治療をするという。
■安静
ヘルニアの症状は、突然の疼痛と、その後の著明な疼痛の軽減ないし完全な消失が特徴であり、あわてて治療を進めるのではなく、我慢できる範囲の疼痛などであれば安静にして経過をみるのも一つの選択という。通常6~8週間で、半分以上の患者が軽快すると井上氏は述べる。
■服薬
- 鎮痛薬
ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬を使うと井上氏は説明する。ボルタレン、ロキソニンのどちらも胃潰瘍を合併することがあるため、胃薬、抗潰瘍薬などと一緒に処方されるという。また、5年間、10年間の長期服用で腎機能低下などの副作用があるため、注意が必要。稀に血液透析が必要となる場合もあるので、長期投与を受けることはできる限り避けてほしいと井上氏は述べている。
- 神経再生薬
メチコバール、ビタミンB12は障害された神経の修復を促進させる作用を持つと井上氏は説明する。
- 血行改善薬
オパルモンは血管拡張作用により神経に血流を増加させ、痛みを減少させる作用を持つという。
■除圧椎弓切除術
上記の服薬で改善しない場合は手術治療を受けることになるという。
除圧椎弓切除術は、神経に対する圧迫を除去するために、骨成分である脊椎の椎弓と呼ばれる部位を切除する手術で、人体の後方からアプローチすると井上氏は述べる。
この手術はヘルニア除去と骨切除だけの手術であるため合併症は少なく、手術時間も短いという。
【関連リンク】