タブレットなどのデジタルガジェットに詳しい「All About」ガイドの太田百合子が解説します。
(今回の質問)
初めてiPadを購入します。「iPad」「iPad Pro」「iPad Air」「iPad mini」どれを買うべきですか?
(回答)
「iPad Pro」はプロクリエイターの使用にも耐えうるハイエンドモデル、「iPad」はコスパ重視の入門機、「iPad Air」はその中間といった位置付けになっています。コンパクトなタブレットが欲しい場合、「iPad mini」が選択肢に入ってきます。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
最高峰モデルの「Pro」、幅広いユーザーにおすすめの「Air」
iPadシリーズには、無印の「iPad」のほか、ハイスペックな「iPad Pro」、両者の中間の「iPad Air」、コンパクトな「iPad mini」の各モデルがあります。2024年5月15日現在、それぞれの最新モデルは、iPad Proが同日発売の13インチiPad Pro(M4)と11インチiPad Pro(M4)、iPad Airが同じく同日発売の13インチiPad Air(M2)と11インチiPad Air(M2)、iPadが2022年10月発売の第10世代、iPad miniが2021年9月発売の第6世代となっています。iPad Proには13インチ、11インチと、画面サイズが異なる2つのモデルが用意されています。両者の違いは基本的にはディスプレイサイズと重量だけ。いずれもiPadシリーズでは初のOLEDを採用した、「Ultra Retina XDRディスプレイ」を搭載し、「MacBook」と同等の高速処理が可能な「M4」チップセットを採用。大容量2TBのモデルも用意されています。つまり、iPad ProはPC並みの処理性能とストレージを備えたタブレットということになります。
実際に、「Apple Pencil Pro」や「Magic Keyboard」も用意されていて、キーボードでの文字入力など、まるでPCのような使い方も可能。充実のカメラに加えてスピーカーも4つ搭載するなど、写真や映像、音楽、ゲームなど、エンターテインメントを楽しみたい人から、プロのクリエイターまで満足できる、最高峰のモデルと言えるでしょう。ただし、その分だけ価格も高くなっています。
iPad AirはiPad Proの次に高性能なモデルで、同じく13インチと11インチの2つのサイズが選べます。最新モデルではiPad Proの「M4」に次ぐ、「M2」チップセットを採用。ほかにもあらゆる性能がiPad Pro未満、iPad以上といった位置付けになっています。例えば、最新モデルのディスプレイは、iPad Proのようにリフレッシュレートの高い「ProMotionテクノロジー」には対応していませんが、iPadにはない「フルラミネーションディスプレイ」や「反射防止コーティング」がサポートされています。また、iPad Proと同様に「Apple Pencil Pro」が利用可能。専用の「Magic Keyboard」も用意されています。
iPad Proは顔認証ですが、iPad Airは指紋認証という違いもあります。iPad Airは、iPad Proまでの性能は必要ないけれど妥協もしたくない、より幅広いユーザーにおすすめできるモデルと言えます。
入門におすすめの「iPad」、コンパクトな「mini」
iPadはディスプレイサイズやカメラなど、パッと見た印象はiPad Airの11インチモデルによく似ていますが、やや大きく重く、最新モデルの第10世代ではチップセットに「A14 Bionic」を搭載しています。前述のように、ディスプレイでは「フルラミネーションディスプレイ」や「反射防止コーティング」がサポートされておらず、シリーズの中では最も手頃な価格設定となっています。初めてタブレットに触れる人や、とりあえずiPadが使いたいという人に向けた入門機として、手に取りやすいモデルと言えるでしょう。Apple Pencilやキーボードなどのアクセサリーも一通り用意されていますが、上位モデルで利用可能な「Apple Pencil Pro」には対応していません。
iPad miniは画面サイズが8.3インチで、その名前からiPadの小さい版と思われがちですが、チップセットに「A15 Bionic」を採用し、ディスプレイでは「フルラミネーションディスプレイ」や「反射防止コーティング」がサポートされているなど、最新モデルの仕様はややiPad Air寄りとなっています。画面サイズが小さい分、映像やゲームの迫力や見やすさ、作業スペースの広さでは劣りますが、軽量コンパクトで持ち歩きやすいという利点があります。電子書籍やコミックを読むのにもちょうど良い大きさで、手の大きい人なら片手でも持てるサイズ感です。一方で専用のキーボードなどは用意されていないので、長文入力がしたい場合はBluetoothキーボードを使用する必要があります。常に持ち歩けるコンパクトなタブレットが欲しい人には、おすすめのモデルと言えるでしょう。
この記事の筆者:太田 百合子
3度の食事と同じくらい、デジタルガジェットが大好物なスマホ女史ライター。あれこれ自腹買いして試した知識と経験をもとに、デジタルが苦手という女性や初心者の方にもわかりやすく、スマートフォン・タブレットの選び方・楽しみ方を紹介します。
3度の食事と同じくらい、デジタルガジェットが大好物なスマホ女史ライター。あれこれ自腹買いして試した知識と経験をもとに、デジタルが苦手という女性や初心者の方にもわかりやすく、スマートフォン・タブレットの選び方・楽しみ方を紹介します。