【例文あり】選考辞退メールの送り方は? 正しい伝え方や注意点を解説

選考辞退メールの例文を紹介した記事です。面接前や後に、選考を取り止めてほしいときは早めにメールや電話で連絡しなくてはなりません。今回は選考辞退の正しい伝え方やよくある質問の回答を、現役フリーアナウンサーの新保友映が解説します。

【例文あり】選考辞退メールの送り方は? 正しい伝え方や注意点を解説
【例文あり】選考辞退メールの送り方は? 正しい伝え方や注意点を解説

選考辞退メールを送る際「どのような内容を書けばいいのだろう」「いつ送ればいいのだろう」と悩む人がいます。相手の会社に失礼にならないよう上手に断るためには、丁寧で分かりやすい言い回しが重要です。本記事では、選考辞退メールの例文や注意点などを現役フリーアナウンサーの新保友映が解説します。選考辞退に関するトラブルを防ぐために役立つ内容をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

<目次>
就活・転職活動で選考辞退するときの注意点
メールのみで選考辞退するのは失礼?
選考辞退メールの例文
面接選考辞退の正しい伝え方
企業が選考辞退に対して抱く印象とは
選考辞退メールへの返信がない場合の対処法
選考辞退メールに関するよくある質問
まとめ

就活・転職活動で選考辞退するときの注意点

「選考辞退」とは、採用についての選考結果が出る前に、自分から断ることです。自ら応募したものの、面接前や面接後に事情が変わった場合、辞退の連絡が必要です。ここでは、選考辞退をする際の5つの注意点を解説します。

・面接の無断欠席はしない
何らかの事情で「面接に行けない」という状態になったとしても、無断欠席は避けましょう。どのような事情であっても、かならず連絡するのがマナーです。

・できればメールと電話の両方で連絡を入れる
選考辞退の連絡は、メール・電話のどちらでしても問題ありません。ただし、伝達ミスや行き違いを防ぐためにも、メール・電話の両方から連絡しておくと確実です。

・スケジュールが決まっている場合は早めの連絡を心がける
具体的な面接日がすでに決まっている場合は、できるだけ早めに連絡しましょう。面接官や担当者のスケジュールを変更することになるため、迷惑を最小限に抑えるよう配慮しましょう。

・面接直後や当日の辞退メールは避ける
面接後に選考を取り止めてもらいたい場合は、面接日の翌日以降に連絡してください。面接の内容によって自分には合わないと思ったとしても、終了直後や当日の連絡は失礼にあたります。早めの連絡のほうがベターではあるものの、このケースでは少しだけ時間をおいたほうが良いでしょう。

・面接前に選考辞退する際は必ず謝罪する
自分から問い合わせをしたのに、面接をする前の時点で就業できなくなったときは、必ず謝罪しましょう。実際に面接を受けなかったとしても、面接日の調整や対応に時間を割いてもらっていることを認識しましょう。

メールのみで選考辞退するのは失礼?

選考辞退を申し出る方法として、メールのみでは失礼なのか、疑問に思っている人もいます。結論として、メールのみでも可能ですが、電話も併用したほうが丁寧です。以下2つのポイントを把握しておきましょう。

・基本的にはメールのみで問題ない
選考辞退を申し出る際は、基本的にメールで問題ありません。人事担当者は多忙であるため、電話だとタイミングが合わないこともあるでしょう。メールの場合は、確実に送信完了できていることを確認しておいてください。

・直前の事態の場合は電話も入れるほうがベター
面接に行けない場合の連絡は、電話で行ったほうが良いケースがあります。連絡が直前になってしまった場合、メールを確認できていないおそれがあるためです。すでに面接日が設定されている場合であれば、電話で謝罪したほうが丁寧です。

選考辞退メールの例文

メールで選考辞退を申し出る際は、以下の例文を参考にしてください。ただし、丸写しはせずに、自分の思いやお礼などをひとこと添えると良いでしょう。

・例文(1)他社の内定が理由の場合
選考辞退の理由が他社の内定の場合の例文です。ポイントは他社を優先したこと自体は隠さずに伝えることです。

「〇月〇日に面接をしていただいた〇〇と申します。先日は、面接のお時間をいただきありがとうございました。このたび、他社から内定をいただきまして、熟考の末そちらへの入社を決意しました。誠に勝手ではございますが、貴社での今後の面接については辞退させてください。大変申し訳ございません」

・例文(2)体調不良が理由の場合
体調不良により、就職活動を一時停止する場合の例文です。具体的な病名などを記載する必要はありませんが、もし聞かれた場合は差し支えない範囲で伝えましょう。

「来週(〇月〇日)に、面接のお約束をしております〇〇と申します。面接のお時間を確保していただいているなかで、大変申し訳ございませんがこの度、選考を辞退させていただきたくご連絡いたしました。理由として、先日から体調不良が続いており回復の見込みが立たず、このまま面接や就労に進むことが難しいと判断したためです。ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございません」

・例文(3)企業の雰囲気に合わないと感じた場合
面接後に、企業の雰囲気が自分に合わないと感じた際の選考辞退の例文です。この際「企業が気に入らないから、入社したくない」のではなく「自分が貢献できそうになく、申し訳ないので辞退したい」というニュアンスで伝えるとスムーズです。

「〇月〇日に面接をしていただいた〇〇と申します。先日は、面接のお時間をいただきありがとうございました。大変恐縮ではございますが、今回は選考を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。面接で貴社の雰囲気や具体的な業務内容をお伺いし、私の経験やスキルでは貢献できる部分が少ないと感じたためです。貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました」

・例文(4)家庭の事情が関与する場合
上記以外の家庭の事情で選考辞退する際は「一身上の都合」でまとめて問題ありません。掘り下げて聞かれることがあるかもしれませんが、無理に回答する必要はないでしょう。

「来週(〇月〇日)に、面接のお約束をしております〇〇と申します。大変申し訳ございませんが、一身上の都合により選考を辞退させていただきたくご連絡いたしました。家庭の事情が変わってしまったため、面接に伺えなくなりました。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんがよろしくお願いいたします」

面接選考辞退の正しい伝え方

メールにて選考辞退を伝える際は、端的に分かりやすい表現を用いましょう。ビジネスメールに慣れていない人は、例文を参考にしながら文章を作成してみてください。

・辞退することを明確にする件名をつける
メールの件名は、そこを見ただけで内容がある程度分かることが重要です。

OK例
【件名:選考辞退のご連絡(氏名)】
NG例
【件名:〇〇大学の〇〇です】
【件名:面接日の連絡ありがとうございました】

NG例では、メールを開くまで内容が不明です。「辞退・氏名」の2つは必ず入れましょう。

・ビジネスメールの構成に沿った文章を書く
選考辞退メールの本文はビジネスメールと同様で、ある程度「堅い文面」が基本となります。「!」や顔文字などは一切使用しないことが原則のため、注意してください。ビジネスメールの書き方の本を見たり、例文を確認したりして適切な文章を作成しましょう。

・理由を含めた辞退の意向を簡潔に本文に記述する
選考辞退を伝える際は、まず結論から述べましょう。

OK例
「申し訳ございませんが今回は選考を辞退します。理由は〇〇で~」

NG例
「〇〇の理由や〇〇の事情、〇〇を考慮しました。貴社への入社を希望していたのですが~(中略)~辞退させていただこうと思っています」

NG例では、辞退というキーワードが出てくるまで、読み進めなくてはなりません。人事担当者の負担を減らすためにも、結論を最初に書くように心がけてください。

・感謝の意を込めた謝罪の言葉を忘れずに
選考辞退を伝える際には「面接をしてもらったことへの感謝」や「選考に時間を割かせてしまったことへの謝罪」を表しましょう。面接をする前段階であっても、連絡やスケジュール調整は行われています。自分のために時間を使ってくれたことへの感謝と謝罪を忘れないようにしてください。

・営業時間を考慮してメールを送信する
選考辞退のメールを送信する際は、相手先の企業の営業時間を確認しましょう。基本的には、営業時間内に送信するようにしてください。また土日が休みの企業の場合、メールの確認までに日にちが空くことが想定されます。面接日が迫っている場合は、営業日を考慮したうえで早めに連絡しましょう。

・必要があれば追加で電話での連絡を検討する
メールだけでは伝わらなそうなときは、電話で謝罪するのも1つの手段です。例えば面接が最終段階付近まで進んでいる場合などは、メールのみの連絡では不足かもしれません。また自分の気持ちとして、感謝や謝罪を担当者に直接伝えたい場合も、電話で話すほうが良いでしょう。

企業が選考辞退に対して抱く印象とは

企業側にとって、選考辞退の印象はどのようなものでしょうか。ここでは3つの意見を紹介します。

・早めに連絡してほしいというのが本音
企業側の希望としては、辞退する場合、できるだけ早めに連絡してほしいと思っています。もし希望者が減るのであれば、別の人材をまた探さなくてはならないためです。

・本人の意思であれば仕方ない
辞退する側の気持ちとして「許してもらえるかな……」と心配に思っている人もいるでしょう。しかし、多くの場合は、辞退の意思を尊重して受け入れてくれます。企業側としても無理強いするわけにいかないため、仕方ないと思うことが多いようです。

・辞退の理由が勘違いであれば面談で課題解決したい
選考辞退の理由に誤解があると判断された場合、担当者から再度面談の申し出があるかもしれません。家庭の事情や体調不良などは仕方ないことですが、それ以外の理由の場合は改善できることもあるためです。担当者がこれらを判断するためにも、選考辞退の際は理由を添えておきましょう。

選考辞退メールへの返信がない場合の対処法

選考辞退のメールを送ってもすぐに返信が届かないことがあります。この場合は以下の対処法を行ってください。

・返信がなくても選考辞退は成立する
前提として、返信メールが来なかったとしても選考辞退は成立しています。こちらからの意思表示は行っているため、あとから問題になるようなケースは少ないでしょう。ただし、メール(サーバー)のトラブルによって不着であることもまれにあるため、できれば電話で確認しておくとより安心です。

・採用時期は人事も忙しいので数日は待ってみる
人事担当者は多忙なため、すぐに返信が届かないこともあります。面接日や次の予定が差し迫っていないのであれば、数日程度は待ってみてください。約束の日時まであまり時間がない場合は、電話で確認しましょう。

・意図が伝わっていない可能性もあるため、再度メールを送る
しばらく待ってもメールの返信が届かないときは、再度確認の連絡を入れてください。多数のメールが届いていて見逃してしまい、読まれていないおそれもあります。急ぎでない場合は再度メールを送信して、もうしばらく待ってみましょう。

選考辞退メールに関するよくある質問

選考辞退のメールに関するよくある質問に回答します。あくまで一例となるため、企業によっては意向が異なることもあります。

・選考辞退のメールは何日前までに送るのが良いですか
選考辞退のメールは面接日の数日~2日前までに送ると良いでしょう。前日の連絡でも可能なこともありますが、社内での伝達時間も考慮すると、遅くとも2日前までに送信しておくことがおすすめです。体調不良など緊急の場合は前日や当日での連絡でも構いませんが、その場合は電話連絡がベターです。

・選考辞退した企業へ再度応募するのは問題ありませんか
選考を辞退した会社に、再度応募しても問題ありません。応募の際は、前回〇〇の理由で辞退してしまったことを伝えると分かりやすいです。ただし、企業ごとの決まりによっては辞退者を受け付けてくれないケースもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

・選考辞退を拒否されたときはどのようにすれば良いですか
選考辞退をスムーズに承認してもらえない場合は、直接会って事情を説明するのも1つの手段です。企業側が「採用したい」と強く思っている証拠なので、その点はありがたく受け止めましょう。選考を辞退する意思を強く持っている場合は、何度でもきっぱりと断るしか方法はありません。

まとめ

選考を辞退する際は「怒られるかな……」と心配になってしまうことがあるでしょう。しかし丁寧に対処すれば、問題なくスムーズに辞退できます。面接日が決まっている場合の選考辞退は、早めの対応が肝心です。相手への感謝を忘れずに、分かりやすい文面で伝えるように心がけましょう。

■執筆者プロフィール
新保友映
新保 友映(しんぼ ともえ)
山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、2003年にアナウンサーとしてニッポン放送に入社。『オールナイトニッポンGOLD』のパーソナリティをはじめ、『ニッポン放送ショウアップナイター』やニュース情報番組、音楽番組など担当。2018年ニッポン放送退社後はフリーアナウンサーとして、ラジオにとどまらず、各種司会、トークショーMC、YouTube、Podcast、話し方講師など幅広く活動。科学でいじめのない世界をつくる「BE A HEROプロジェクト」特任研究員として、子どもたちの授業や大人向け講座の講師も担当している。
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