スマホデビューの時期やデビューする際の注意点について、「All About」iPhone・SNSガイドの鈴木朋子が解説します。
(今回の質問)
小3の子どもにスマホを持たせるべきか迷っています。友達はみんな持っていると言うけど……どうすべきですか?
(回答)
各家庭によって安全にスマホを運用できる時期は異なります。まずは親子の話し合いから始めましょう。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
小学生高学年のスマホ所有率は4割超
子どものスマホデビューの時期は、悩ましいですよね。保護者の仕事やきょうだい関係などの家庭の環境、塾や習い事の状況、本人の性格、ITリテラシーの習熟度などにより、ふさわしい時期が決まってくるでしょう。筆者は、「保護者が子どものスマホを安全に見守れる」と判断した時期をおすすめしています。といっても、判断が難しいので、スマホを持たせた年齢についての調査結果を見てみましょう。
NTTドコモ モバイル社会研究所が2023年11月に実施した調査によると、小学生高学年のスマホ所有率が初めて4割を超え、小学6年生のスマホ所有率は65%とのこと。中学1年生では77%がスマホを所有しています。
スマホを持たせると起きやすいトラブルは?
子どもがスマホを欲しい理由は何でしょうか。「みんなが持っているから」と言われても、持たせるべきか悩んでしまいますね。まずはスマホについて親子で話し合ってみましょう。スマホにはメリットもたくさんあります。学習アプリの活用、ネットでの情報検索、塾講師の動画視聴、地図検索……保護者としては子どもの安全を見守りやすくなる一面も。GIGAスクール端末を持ち帰れない家庭では、学校の勉強を補助する役割も果たせます。
一方、スマホを持たせると起きやすいトラブルには、以下のようなものがあります。
・ゲームや動画などによる長時間利用
・不適切なページの閲覧
・知らない人との出会いやいじめなどの交流に関するトラブル
・課金などの金銭トラブル
これからスマホを持つのであれば、こうしたトラブルに保護者が対応できるかどうかを考えなければいけません。
もし「うちの子にはまだ早い」「保護者がそこまで管理できない」と感じたら、キッズケータイの活用も選択肢となるでしょう。
キッズケータイには、LINEのようにメッセージが送り合える「+メッセージ」やカメラ機能が使える機種があります。トラブルの原因になりがちなアプリやネットは使えません。キッズケータイでメッセージやカメラのリテラシーを高めてから、スマホデビューすると安心です。
スマホを持たせるならスマホルールとフィルタリングが必須
上述のトラブルは、スマホルールとフィルタリング、ペアレンタルコントロールを設定することで防げます。スマホルールは、必ず親子で話し合って決めましょう。利用時間、利用場所、課金、ネットでの交流についてなど、決めたことを紙に残して、リビングなどに掲示しておきます。また、学年が上がる機会に見直して、生活実態に合わせることも大切。守れていることはルールを少し緩めて、ネットをうまく活用できるように導いてもいいでしょう。守れなかった場合のペナルティを設定しておくのもおすすめです。
そのルールに則って、フィルタリングやペアレンタルコントロールの設定を行います。ほとんどのトラブルは、こうした「デジタルの見守り」で防げます。ただ、デジタルの見守りだけでは、子どもが抜け道を探すもの。パスワードを見つけて、フィルタリングを突破しようとしてくるかもしれません。そこで、なぜダメなのかを理解させるためにもスマホルールの策定、すなわち「アナログの見守り」が重要になるのです。
子どもも危険な目には遭いたくないはずです。決して頭ごなしにならないように、スマホのメリットとリスクについて親子でしっかり話し合って、ルールの策定やフィルタリングの設定をしてくださいね。
この記事の筆者:鈴木 朋子
ITライター・スマホ安全アドバイザー。スマホ、SNS、Webサービスなど、身近なITに関する記事を執筆している。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。中高生のスマホ事情にも詳しく、二人の娘を持つ母親でもある。
ITライター・スマホ安全アドバイザー。スマホ、SNS、Webサービスなど、身近なITに関する記事を執筆している。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。中高生のスマホ事情にも詳しく、二人の娘を持つ母親でもある。