そんな「ひな人形の処分」について、「All About」暮らしの歳時記ガイドの三浦康子が解説します。
(今回の質問)
ひな人形の処分はどうすればいい? 一般ごみで出したらバチがあたりますか?
(回答)
人形供養をして焼いてもらう、必要とされているところに寄贈するなどの方法があります。自治体のごみの出し方に従い一般ごみ(あるいは粗大ごみ)に出しても、問題はありません。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
ひな人形はいつ捨てるべき?
ひな人形を処分するタイミングは、いつまで飾るのかによりますが、大きく分けると以下の3パターンがあります。・一生飾って、処分する
ひな人形には、その子の厄を引き受ける役目があります。いわば分身であり、お守りのようなものなので、いくつになっても飾るという考え方です。結婚後の対処法には2つあり、嫁ぎ先に持っていって自分で飾る方法と、親が娘のために実家で飾り続ける方法があります。また、本人が亡くなったら処分することが多いのですが、代々受け継いでいくこともあります。
・結婚するまで飾って、処分する
一般的にひな人形は宮中の婚礼の様子を表しており、女雛のようにすてきな女性に成長し、良い伴侶に恵まれて幸せな人生を歩めるよう願うものなので、結婚を区切りとする考え方です。
・区切りの年齢まで飾って、処分する
子どもの健やかな成長に主眼をおき、区切りの時まで飾る方法。例えば、七五三の7歳まで、小・中・高・大学などのいずれかの卒業まで、二十歳までといった区切りです。成長すると飾るのがおっくうになりがちですが、こうして自分なりに区切りをつければ、気持ちよくいられるでしょう。
ひな人形の正しい処分方法は? 一般ごみで出してもいい?
ひな人形にはその子の魂が宿るという考えがあるため、そのまま処分するのは抵抗があるという方は、人形供養をしてから処分するとよいでしょう。人形供養とは、神社やお寺で人形に宿った魂を抜いて供養することで、その人形はただのモノにかえり、使命を終わらせることができるという考え方です。ほとんどの場合、供養後に焼いてもらうことができ、「人形感謝祭」と呼ばれることもあります。自分で処分する方法はいろいろあり、「一般ごみ、あるいは粗大ごみとして出す」こともできます。ごみの出し方は自治体によって違うので、確認してから出してください。
そのほかにも、「何千、何万体ものひな人形を飾るビッグひな祭りなどに寄贈する」「保育園、幼稚園、学校、児童施設、養護施設などに寄贈する」「リユースしてくれる団体などに寄贈する」「リサイクルショップやネットオークションなどで売る」「ニーズのある人に譲る」などの方法があります。費用や手間を確認し、気持ちに添った方法で処分するとよいでしょう。
この記事の筆者:三浦 康子
和文化研究家、ライフコーディネーター。わかりやすい解説と洒落た提案が支持され、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ、講演、商品企画などで活躍中。様々な文化プロジェクトに携わり、子育て世代に「行事育」を提唱している。著書、監修書多数。