自分が受けてきた「教育」を否定したくない
さて、以上の3つの価値観を聞いて、カンのいい方はお気付きだろう。実はこれは全て「昭和の学校教育」が柱としていたことだ。「野球部の練習中は水を飲んではいけない」「不良少年は愛のある鉄拳制裁で更生させる」など当時の熱血教師たちの指導は全て、「痛み」によって成長をさせるためだ。
また、クラブ活動や運動会など子どもの意志を無視して「強制参加」のイベントも多い。幼い頃から「やりたくないことをやる」のが立派な社会人という教育方針があるのだ。
さらに、異常なほど「みんなに合わせる」を叩きこむ。何かクラスで問題があれば連帯責任ということで、学級会などを開いて「みんな」で問題解決に当たらせる。大縄跳び競争、人間ピラミッドなどの「みんな」で1つのことに取り組ませる。「集団」のためには「個」を殺すことを叩き込むが日本の学校だ。
人は自分が受けてきた「教育」を否定したくない。実はこれこそが、「昭和のおっさん」がなかなか価値観をアップデートできない根本的な原因なのだ。
この記事の筆者:窪田 順生
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経てノンフィクションライター。また、報道対策アドバイザーとしても、これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行っている。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経てノンフィクションライター。また、報道対策アドバイザーとしても、これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行っている。