沖縄タイムスによると、那覇市保健所は20日、管内の日本語学校に通う留学生らが結核に集団感染したと発表したという。最初に症状が出た外国人の20代女子学生を含む感染者は計10人で、うち4人が発病したという。

 

9月には愛媛県の病院で、8月には千葉県船橋市の学習塾でも結核の集団感染が発生した。過去の病という印象が強い結核だが、一体どのような病なのだろうか。感染症に詳しい西園寺克氏がAll Aboutで解説している。

 

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結核の症状と原因

特徴的な症状は咳(数週間以上続く)、痰(血痰が出ることもある)、発熱(たいてい微熱だが、時に高熱を伴う)の3つ。咳が2週間以上続くと結核の可能性も考えられるため、診断時に結核の検査が含まれるという。また、症状が出てからさらに時間が経つと、上の呼吸器の症状に加え、疲労感や体重減少がある。初期症状を見逃しやすいので、かなり進行してから病院を受診する患者が増えているという。
 
結核の原因は、飛沫感染・空気感染する力を持つ「結核菌」。感染者の咳・くしゃみなどの飛沫や、空気中に漂う菌を吸い込むことで、呼吸器から感染する。感染する部位は主に肺なので、一般的に「結核」というと、ほとんどが「肺結核」を指す。脊椎カリエスや結核性腹膜炎などの病気を発症することもあるが、ごく稀だと西園寺氏は説明する。
 

結核の感染力・潜伏期間・予防法

結核は空気感染するため、感染力は非常に強い。一人が結核菌に感染し、咳などで菌を排出してしまった場合、同じ部屋にいる人のほとんどは結核に感染すると考えてよいと西園寺氏は指摘する。さらに結核は発症までに数ヶ月から年単位の潜伏期間があるため、結核にかかっていてもすぐに分からない場合が多く、日常生活での感染予防は現実的には不可能だという。
 
集団感染が疑われた場合は、発症を予防するために「抗結核剤」という結核菌に効果がある薬を予防的に服薬。発症前に飲む場合は治療のための服薬と区別して「予防内服」と呼ぶ。服薬期間は通常6ヶ月。
 
ただし、結核を発症する人は感染した人の10人に1人以下。結核菌の保持者と同じ空間にいても発症するのはごく一部だという。
 

免疫力が弱まっていると高まる結核発症リスク

結核の発症は、栄養状態、睡眠、ストレスなどが深く関わっている。特に「栄養状態」が悪いと発症のリスクが高くなると西園寺氏は説明する。
 
加齢によって免疫は低下するが、年をとったからといって全員が発症するわけではない。別の病気になって免疫系を落とす治療方法をした場合、結核の発症率が高まることもある。また、AIDSに感染していた場合も結核の感染・発症リスクが高くなるという。特に結核や結核の仲間の菌による病気はAIDS患者の死因となることがあり危険。可能な範囲でワクチン予防をするなど注意が必要になる。
 

結核の予防接種「BCG」は乳児に有効

結核に限らず、感染症予防にはワクチンによる予防接種が有効。結核の場合の予防接種は感染自体を予防できるものではなく、感染後の発症を予防したり、発症した場合の重症化を防ぐ目的で使われるという。
 
結核に用いられるワクチンは「BCG」だが、発症予防の効果については実際のところ意見がわかれている。しかし、小児の結核重症化に対しては一定の効果があるという見解だという。日本では2005年4月から、生後6ヶ月までの乳児に対して予防接種を実施することになっている。
 
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