KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭 の見どころは?
瀬戸内芸術祭やあいちトリエンナーレをはじめ、全国各地で盛り上がりを見せる芸術祭に注目の新星が登場しました。茨城県北部の6市町にまたがって開催される「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」(通称 KENPOKU)です。
KENPOKUの驚くべき点は会場の広さ。茨城県の北地域6市町(日立市、高萩市、北茨城市、常陸太田市、常陸大宮市、大子町)にまたがった会場は神社や河原、海岸に商店街など全32カ所。広さにすると東京23区の2.7倍もの広さ。
ここに国内外85組のアーティストたちが、約100点作品を発表します。会場があまりにも広いため、ガイドマップや推奨ルートも「山側」と「海側」の2種類作られており、1日で見終わることは不可能。
そんなこの芸術祭の見どころ作品をダイジェストでご紹介します。
茨城県北芸術祭 海側(五浦・高萩海浜エリア・日立駅周辺エリア)の見どころ
海の近くが会場となっているため、風がさわやか。会場となっている茨城県天心記念五浦美術館や高戸海岸から見る海も鑑賞ポイントのひとつです。
■日立駅
メイン会場の一つである日立駅は駅全体が作品。日立市出身の世界的建築家、妹島和世がデザイン監修した透明感あふれる駅舎をフランス人アーティスト、ダニエル・ビュレンが虹色に。陽の光が降りそそぐととにかく美しい!
■御岩神社
パワースポットとして人気の神社、御岩神社にあるのは、オーロラフィルムを使った森山茜の作品。木々の間にふわふわ浮かぶ直方体の姿はなんともシュールで神秘的。
■茨城県天心記念五浦美術館
ほとんどが屋外会場のKENPOKUにおいて、数少ない屋内展示会場のひとつ、茨城県天心記念五浦美術館ではチームラボのこれまでの作品から最新作まで一挙8作品を展示しています。
茨城県北芸術祭 山側(常陸太田鯨ヶ丘エリア・奥久慈清流エリア)の見どころ
袋田の滝など、茨城県北部に行ったら必ず訪れたい場所も展示会場となっています。車での移動がスムーズです。
■鯨ヶ丘商店街
山側もまたダイナミックな展示が満載! 常陸太田市にある鯨ヶ丘商店街は、芸術祭期間中に商店街に並ぶお店や施設の窓がピンク色に染められています。そのなかには、町の記録やその建物に暮らす人の言葉が添えられており、読み進めていくうちに鯨ヶ丘商店街を深く知っていくこととなります。
■梅津会館
商店街の中心にある梅津会館のなかには複数の作品も展示。2階に展示されているのは、タイのアーティスト、ニパン・オラニウェーの作品。
真っ白く見える作品は、実はベビーパウダーで作られたもの。茨城県の地図を何枚も組み合わせて作った、ありそうでない「空想地図」の作品です。会場にはベビーパウダーの香りがあまく漂います。
■旧家和楽青少年の家
旧家和楽青少年の家の体育館に並ぶ作品はイエメン生まれで現在イギリス在住のザドック・ベン=デイヴィッド。
繊細に作られた金属製の植物約27,000本が体育館中に並べられています。
ですが、じつはぐるっとまわって後ろ側から見てみると…!
息を飲むほどの色とりどりの世界です。
仕掛けはいたってシンプルですが、展示されている植物の数や広さが膨大だと驚きはダイナミックなものになります。ぜひ、現地で体感してほしい作品です。
■旧三和中学校
旧三和中学校にあるのが、落合陽一の《コロイドディスプレイ》。超音波をあて、細かく振動させたシャボン膜は映像の投射が可能になります。シャボンの膜は1分も持たずに割れてしまう寿命の短い「キャンバス」。そこに投影された蝶の寿命もとても短くはかなく、そして幻想的。
落合陽一は最新のテクノロジーとアートを融合させた作品で注目されているアーティスト。会場にはこの《コロイドディスプレイ》に加え、同じくシャボン玉を使った最新作を発表しています。
と、ここまでオススメ作品をご紹介しましたが、これらはKENPOKUのごく一部でしかありません。秋から冬にかけての茨城県は常陸そばやきのこなどアートだけでなくグルメも楽しいスポット。紅葉も見逃せません。日帰りで何回も行くもよし、何泊かかけてのんびり通うもよし、いろいろな楽しみ方ができる芸術祭です。
■DATA
名称:KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭
会期:2016年9月17日(土)~11月20日(日)
会場:茨城県北地域6市町 日立市、高萩市、北茨城市、常陸太田市、常陸大宮市、大子町
料金:一般 2500円ほか
開館時間:各会場により異なる
休館日:各会場により異なる