今回は、電池とバッテリーの違い、野球の投手と捕手のペアをバッテリーと呼ぶ理由など、違いの分かる人になれるバッテリーの豆知識をご紹介します。
「電池」と「バッテリー」の違い
「電池」と「バッテリー」の違い、分かりますか?電池とは、エネルギーを電気に変換する装置のこと。
太陽電池や熱電池など、物理エネルギーから電気を作る「物理電池」と、化学反応によって電気を作る「化学電池」の2つに大別されます。
さらに化学電池のうち、使い切りのものを「一次電池」、充電することで繰り返し使えるものを「二次電池」と呼びます。
一方のバッテリー(battery)は、英語で「電池」を指す言葉なので、厳密には同じ意味です。
ただ、日本語のバッテリーは、自動車に積まれている二次電池である「鉛蓄電池(カーバッテリー)」を指す言葉として使われてきました。
そのため、現在でも「モバイルバッテリー」など、主に二次電池(充電式の電池)を指す言葉として使われていて、一次電池(使い切りの乾電池など)のことをバッテリーとは呼ばないのが一般的となっています。
「リチウム電池」と「リチウムイオン電池」の違い
リチウム電池とリチウムイオン電池、名前は似ていますが全く別の電池です。リチウム電池は、マイナス極に金属リチウムを使った使い切りの一次電池。電圧が高く軽量であるため、主にカメラなど小型電子機器用の乾電池・コイン型電池として使われています。
一方のリチウムイオン電池は、プラス極のリチウム合金とマイナス極の炭素材料の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う、使い切りではない充電式の二次電池。
容量が大きく小型で軽量ですが、安全回路が必要なので単体では販売されておらず、主に携帯電話やノートパソコンのバッテリーとして利用されています。
リチウム電池は使い切りなので、リチウムイオン電池のように充電してはいけません。破裂や液漏れなど、不具合・事故の原因になるのでご注意ください。
野球の投手と捕手をバッテリーと呼ぶ理由
バッテリー(battery)は、もともと「砲台」や、大砲を横に並べて一斉に射撃できるようにした「放列(砲列)」を意味する言葉で、原義は「連続して打つ」でした。そこから派生して、マーチングバンドの打楽器や、法律学における暴行を意味する言葉としても使われています。
野球におけるバッテリーは、ボールを投げる投手を砲台に例えるようになり、やがて捕手も含めたペアを指す言葉になったとされています。
一方、電池は「打つ」ではなく「連続して」の方から派生したもの。1746年にオランダのライデン大学で発明された世界初の蓄電池である「ライデン瓶」を使う際、瓶をいくつも連結した様子をbatteryと呼んだことがはじまりとされています。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。