ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は13日、「PlayStation VR」(PS VR)の予約受け付けを24日に再開すると発表した。ITmedia ニュースなどが報じている。10月13日の発売日に手に入る予約はこれが最後になるという。
PS VRは、6月18日に第1回予約受け付けを開始し、即日完売。7月23日にも受け付けたが完売が続いたとされている。発売前から注目が集まるPS VRとはどのようなものなのか、ゲームライターの田下広夢氏がAll Aboutで以下のように解説している。
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PS VRとは
田下氏によると、PS VRは、PS4用周辺機器でソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)が販売する。元々は「プロジェクト モーフィアス」と呼ばれていたヘッドセットをもちいてPS4でヴァーチャルリアリティを体験する為のシステムで、SCEが開発したという。
海で泳ぐときに使うゴーグルのような形で目をすっぽり覆うモニターを頭から被って、360度の視界を完全にゲーム画面で埋めてしまう仕組みだと、田下氏は説明する。
PS VRではどのような体験ができるか
映像は立体視で表現され、音も3Dサラウンド。これを使うことで「あたかも自分自身がゲームの世界に降り立ったかのような体験を味わうことができる」といい、「視界を完全に覆うことによって、ゲームの世界は劇的に変化します。この変化は、視覚的な変化でありながら、全身の感覚に訴えかけるような変化です」と田下氏は述べている。
田下氏がPS VRで実際に遊んだ体験・感覚は、「止まっているエスカレーター」に最も近いという。止まっているエスカレーターに乗ると、頭では止まっていると分かっていても、体の方が反応して動いていることを前提にバランスを取ろうとする感覚があるが、これに近いという。
つまり、頭ではもちろんゲームと分かっていても、視界を完全に奪われてゲームの世界に放り込まれると、体の方が反応してしまう。PSVRで受けるゲーム体験というのは、視覚によってもたらされるものではあるが、より身体的な感覚に訴えかけるもので、「まさしく、Virtual Reality、仮想現実というにふさわしい体験」と田下氏は述べている。
PS VRの課題とは
田下氏はPS VRは素晴らしいゲーム体験ができるが、課題もあると指摘している。これは、必ずしもPS VR特有の課題というわけではなく、VRという未知の体験に伴う課題、ゲームの周辺機器というものの課題でもあると前置きした上で、以下の課題を挙げている。
■ゲーム酔い
田下氏によると、PS VRは遊んでいると、ゲームに酔うことがあるという。個人差はあるが、軽いめまいを起こしたり、軽く気持ち悪くなったりする人もいるかもしれないという。田下氏自身も、実際に遊んでみた際、短時間のプレイでも酔いを感じたという。これは、プレイヤー側の慣れの問題でもあり、ハードやソフト側で改善できる部分もあると田下氏は述べている。田下氏によると、SCEは人によって酔う場合があることを認めていて、それを無くしていく努力を発売までしていくという。
■プレイしている見た目
プレイしている見た目も課題の1つとしている。PS VRをつけてゲームをしている人の姿は、怖い印象があるという。これは商品のイメージによって解決できる部分も大きいので、PR戦略が非常に重要になるはずと田下氏は指摘している。
■価格
田下氏は価格にも課題にあるという。PS VRは44,980円で発売されることが決まっている。PS4を新たに買うとなれば500GBモデルで税込み37,780円、合わせて基本的に購入が必要になる「PlayStationCamera」6,458円。これらを合計すると92,816円になるという。体験できるゲームの素晴らしさを考えれば非常に安い買い物だと田下氏はお薦めしているが、ゲームなどの娯楽に使えるお金は人によってある程度限られているものであることも田下氏は認めている。
■対応ソフトが充実するか
対応ソフトが充実するかも重要だという。基本的に、コンシューマーのゲームソフトというのは、そのソフトが動作するハードが多く普及すればするほど、タイトルもたくさん発売されるという。周辺機器が必要ということになると、タイトルの数はその周辺機器の普及した数に左右されると田下氏は指摘している。
田下氏は、PS VRの課題は山積みで、簡単に売れる類の商品ではない、販売戦略の舵取りは大変だと予想するが、「それらの課題を乗り越えるに足る魅力がPS VRにはある」としている。また、PS VRの魅力は、PS VRを体験することだとしており、体験イベントなどに参加することを勧めている。
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