世の中には、デスゲームを題材にした作品がたくさんある。近年だと『イカゲーム』『ソードアート・オンライン』などだろうか。ローマの剣闘士がコロッセウムで戦う様子から派生した、定番のモチーフである。
そんなド定番とも言えるデスゲームに「人見知り」という属性をかけ合わせた天才がいる。登録者数35万人の大人気YouTubeチャンネル『KYS動画研究所』を運営するKYSさんだ。Xに投稿された動画が話題となっている。
近年のデスゲームにありがちな、ルールの書かれた部屋に入る2人。
「敬語を使うと串刺しになる部屋」と書かれているのに、ついつい敬語を使ってしまうゲーム参加者。そして、なぜか運営サイドも串刺しの刑に処され、どんどんカオスな状況になっていく。そして、最後はとんでもないオチで幕が降りる……。
敬語でないと会話が難しいという“人見知りあるある”に翻弄(ほんろう)される登場人物たち。視聴者からは、「この人見知りさんに敬語なしは無理です」「育ちが良すぎるせいでこんな目に」「運営サイドまで罰があるの厳しい」「こんなの癖だから絶対落ちちゃう」などのコメントが寄せられている。
作者のKYSさんに、お話を聞いた。
KYSさんも実は人見知りだった
ーー人見知りシリーズ、これ以外にもいくつもありますよね。もしかして人見知りでしょうか……?
KYSさん(以下、KYS):僕自身、人と目が合うとすぐにアガってしまうのですが、しゃべれないタイプではなく、逆にしゃべりすぎてしまうタイプの人見知りだと思っています。特に初対面の人と話した後は「変なことを口走ってしまったんじゃないか」と、よく1人反省会を開いて落ち込んでいます(笑)。
ーー人見知りシリーズにも多くの反響が寄せられていると思いますが、印象的だったものはありますか?
KYS:「会社にいるときの自分を見ているみたい」とか「こうなってしまう気持ちはすごく分かる」など、共感のコメントが多いのが印象的でした。僕も人見知りなので、世の中に同じような人が多かったのがうれしかったです。一方で、「知り合いにこういう人がいる!」というコメントもあり、自分が思っているより世の中は人見知りであふれているんだな……と感じました。
ーー侍シリーズ、ざっくりシリーズ、替え歌などの面白い動画がたくさんあり驚いています。どうしたらそんなに面白いことが思いつくのですか?
KYS:特に意識はしていないのですが、「面白いモノを作りたい」という気持ちを常に抱きながら生きているかもしれません。そんな中で、ふとネタが浮かぶとスマホの中にメモをするのが習慣になっています。実は学生時代にモノマネを練習したり漫才を書いたりしていました。ただ、僕自身は内気でクラスでも目立つタイプではなく、それを表現する場所はありませんでした。長い間胸に秘めていた「面白い作品を作りたい!」という思いが、インターネットを通じて発散できているのかもしれません。
ーー何か夢や目標はありますか?
KYS:自分が好きだと思うことをひたすらに続けてきたらこうなりました。あまり上昇志向がある人間ではないので、自分が好きなことを続けていけたらいいなと思っています。夢や目標をかなえることって、つらさや苦しみを乗り越える必要があると思うのですが、できるだけそんな思いをしたくなくて(笑)。楽しいと思えることを続けて、自分自身が満足のいく活動ができれば、それで十分だと思っています。
作り込まれた動画には長らくお世話になった筆者だが、新チャンネルの生配信の面白さに触れ、今や配信をリアルタイムで見るいわゆる「リアタイ勢」である。殺伐とした昨今、平和に笑いたい人に欠かせないチャンネルである。ぜひチェックしてみてほしい。
取材協力:KYSさん
YouTubeチャンネル『KYS動画研究所』
YouTubeチャンネル『KYS所長の研究室』
X:@KYSdane