「女性だからどうせ辞める」「かわいいね」採用面接での不適切発言、経験者は約2割

日本労働組合総連合会は、全国の15~29歳の男女1000人を対象に「就職差別」に関する調査を実施しました。不適切な発言や質問を採用面接で受けたことがある人は19.5%でした。また、32.8%が就職活動で「男女差別」を感じたと回答しました。

日本労働組合総連合会は、「就職差別」に関する調査を実施しました。調査期間は、4月1~4日で、対象は最近3年以内に就職のための採用試験を受けた、全国の15~29歳の男女1000人です。
 

採用面接での不適切な発言、特に「医療、福祉」業種で多数

採用面接で、不適切な発言や質問を受けたことがあるか聞いた結果、19.5%の人が「ある」と答えました。195人中、多くは性別を理由にした断定的な発言や、恋愛や結婚についての過度な質問を挙げました。

不適切な発言や質問があった業種については、「医療、福祉」が14.9%で最多。「サービス業(他に分類されないもの)」(13.8%)、「建設業」(13.3%)、「情報通信業」(10.3%)、「製造業」(9.7%)と続きました。

具体的な内容としては、「『女性だからどうせ辞める』と言われた(25歳女性)」「恋人の有無を聞かれた(28歳男性)」「『かわいいね』と容姿を褒めてくる場面があった(23歳女性)」「男性社員から『メガネを取ったほうがかわいいよ』と言われた(22歳女性)」「『女性のほうが仕事が丁寧だから』と言われた(25歳男性)」などの実体験が寄せられました。
 

就職活動で「男女差別」を感じたのは3人に1人

就職活動中に男女差別を感じた経験があるかとの質問に、32.8%が「ある」と答えました。「ある」と回答した328人に具体的な経験を聞いたところ、「男女で採用職種が異なっていた(男性は総合職、女性は一般職など)」が最多の39.6%。男女雇用機会均等法では性別に基づく採用差別は禁止されていますが、それに反する経験をした人が一定数いることが判明しました。

続いて、「採用予定人数が男女で異なっていた」が36.9%、「男性のみ、または女性のみの募集だった」が30.8%となりました。
 

就職活動での「学歴フィルター」。約4割が経験

企業が出身学校名で応募者を選別し、採用対象とすることは「学歴フィルター」と呼ばれています。これは、特定の大学の学生だけが説明会やセミナーに参加できる状況などを指します。

就職活動中に学歴フィルターを経験したか聞いた結果、40.4%が「ある」と答えました。最終学歴別では、「ある」と答えた人の割合が最も高かったのは中学校で45.2%、次いで四年制大学・大学院が43.9%、専門学校・短期大学が36.6%、高等学校が33.6%でした。


>次ページ:不適切な発言や質問があった「業種」ランキングと、具体的な不適切発言


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