横浜山手西洋館では、「第21回特別展 花と器のハーモニー2023」を2023年6月3日から11日まで開催。「いけばな七流派の家元が彩る洋空間」をテーマに、7館を花とテーブルウエアで装飾します。華道七流派の家元が一堂に会した、華やかな展示の模様をお届けします(画像は開催前日の内覧会にて筆者撮影)。
21回目を数える「花と器のハーモニー」
横浜山手エリアは、開港当時に外国人居留地だったことから、外国人住宅として建てられた西洋館が残っています。
横浜市が所有する山手西洋館7館(外交官の家、ブラフ18番館、ベーリック・ホール、エリスマン邸、山手234番館、横浜市イギリス館、山手111番館)は無料で公開されており、当時の暮らしぶりを体感できます。
6月の恒例イベント「花と器のハーモニー」は、2001年にスタート。館内を花と食器などのテーブルウエアで飾り付けて山手西洋館の魅力を伝えるもので、2023年で21回目となります。
今回の特別展のテーマは「いけばな七流派の家元が彩る洋空間」。
「いけばな」の魅力を世界に発信すると共に、2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会「GREEN × EXPO 2027」の機運醸成を図ります。日本の伝統文化である華道七流派の家元による「いけばな」と、世界各国の食器との競演が見どころです。
華道七流派の家元のいけばなが一堂に
各館の装飾者と器は次の通り。
外交官の家:華道家元池坊次期家元 池坊 専好<大倉陶園(日本)>
ブラフ18番館:龍生派家元 吉村 華洲<ヘレンド(ハンガリー)>
ベーリック・ホール:草月流家元 勅使河原 茜<マイセン(ドイツ)>
エリスマン邸:未生流家元 肥原 慶甫<大崎漆器店(日本)>
山手234番館:古流松應会家元 千羽 理芳<エルキューイ・レイノー(フランス)>
横浜市イギリス館:小原流家元 小原 宏貴<バーレイ(イギリス)>
山手111番館:一葉式いけ花家元 粕谷 尚弘<サルガデロス(スペイン)>
このような華道七流派の家元によるいけばなが一堂に観覧できる機会は初めてのことだそう。
コーディネートを担当した一葉式いけ花家元の粕谷さん(上画像の1番右)が「『いけばな』を見たことがない、知らないという人に向けて、まずは『いけばな』を気軽に体感いただきたい。ファン層が広がるきっかけになれば」との思いから、多忙な各流派の家元を訪ねて説明し、実現しました。
内覧会でひと足お先に観覧してきましたので、見どころを紹介します!
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