2月21日は漱石の日!
千円札の肖像にもなった文豪、夏目漱石にちなんだ記念日になっています。
今回は漱石という名前の由来など、違いの分かる人になれる夏目漱石の豆知識をご紹介します。
漱石は元々、正岡子規だった!?
夏目漱石の本名は夏目金之助であり、「漱石」というのはペンネーム。中国の故事である「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」が由来とされています。
「石に漱(くちすす)ぎ流れに枕する」、普通は川の流れに口をすすいで石を枕にするところをその逆になっていることから、負け惜しみの強いことや変わり者の例えとして使われる言葉です。
実はこの「漱石」、元々は友人である正岡子規の数多くあるペンネームの1つでした。1889年、正岡子規らの文集の批評を書く際に、いわば子規から借りる形で「漱石」というペンネームを名乗り、その後に譲り受けたそうです。
なぜ2月21日が「漱石の日」なのか
1911年2月21日、当時の文部省が漱石に対して、文学博士の称号を贈ると伝達しました。
しかし漱石は、これを返上。「今日まで夏目なにがしとして生きてきた。これから先もやはりただの夏目なにがしで暮らしたい」という辞退の旨を説明する文面が、当時の新聞に掲載されました。
「肩書は必要ないからいりません」という返事が、変わり物を意味するペンネームを付けた漱石らしいですね。
この逸話にちなんで、2月21日が漱石の日と呼ばれるようになりました。
アイラブユーを「月が綺麗ですね」って訳したって本当?
英語教師をしていた漱石が、教え子に対して「I love youは『我君を愛す』だと日本人に伝わらないので『月が綺麗ですね』と訳しなさい」と言ったという逸話は有名ですよね。
しかし実はこの話、典拠不明の都市伝説なんです……!
漱石の著作や文献には、このような言葉を遺した、話しているのを聞いたという記録は残っていません。英語教師だった文豪がいかにも言っていそうな、ロマンチックな内容だったので、ここまで広まったのでしょう。
もしタイムマシンがあったら、夏目漱石に会いに行って、本当はどう訳すのがよいと思うか、聞いてみたいですね。
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