家賃や物価は地域差があるため、同じ家族構成の子育て世帯でも東京と地方都市とでは生活費の差が広がりやすいと言えます。東京と地方都市を比較したとき、子育て世帯の1カ月の生活費にはどんな違いが見られるのでしょうか。
All About編集部は子育て世帯を対象にアンケートを実施し、東京都と地方都市(札幌、名古屋、大阪、福岡)のそれぞれの生活費についてリサーチしてみました。
東京vs地方都市、1カ月の家賃相場は? 札幌では、3LDKでも「8万円」
毎月必要な固定費の中で高い割合を占める家賃は、エリアによって差が大きいというのはよく知られていますね。
アンケート回答によれば、東京の子育て世帯では、1LDK~3LDKの間取りで家賃は8万8000円~21万円。23区内と小平市や国分寺市といった郊外とでは間取りによって1~4万円の差があることが分かります。
対して地方都市では、間取りについては東京とほとんど変わりありませんが、家賃は4万5000円~10万円。約半額となっています。また戸建に住む人の割合が東京よりも増えています。
東京都在住の回答者からは、「駅が遠いわりに家賃が高いのでもう少し地方に引っ越したい。全てのものが値上がりして生活が圧迫されている(国分寺市・20歳)」という声が上がる一方で、地方都市からは「住宅ローンを支払いしながら貯金をするのは大変だ(大阪市・36歳)」という声も。東京は地方都市よりも家賃が高く、生活費の金額を押し上げていることがうかがえます。
東京vs地方都市、家賃以外でかかる生活費は平均いくら?
続いて、家賃以外の1カ月の生活費について東京と地方都市の差を見ていきましょう。
1カ月の食費の平均を各世帯に聞いたところ、東京では3~6万円、地方都市では2~12万円と地方都市の方が幅が大きい結果に。年収や家族の人数によって金額がかなり上下すると見えます。
光熱費は、東京の場合、電気代が6300円~3万円、ガス代が0円~2万円、水道代が2500円~2万5000円。一方地方都市では、電気代が3000円~3万円、ガス代が0円~2万円、水道代が1500円~1万4000円でした。光熱費は地域別の料金設定の影響があるものの、地域差というよりライフスタイルによる差が金額に反映されていると見られます。
自動車については、東京では全体の約3分の1が、地方都市では全体の約3分の2が所有していました。維持費や駐車場代などの支出は1カ月平均で東京が約3万2000円、地方都市が約1万7900円という結果に。東京の方が自動車関連費用の金額が高いのは、駐車場代の高さが原因と考えることもできそうです。
回答者からは「貯金ができない(小平市・32歳)」「子供の成長とともに学費がかかるのに、給料が上がらないのが不安(福岡市・42歳)」といった金銭面の苦労や不安に関する声が出ていました。また、「きつかったらさらに車などを削ったりも検討中(練馬区・49歳)」「収入と支出が同じくらいなので収入をあと少し増やすか支出を減らしたい(名古屋市・33歳)」など、収支のバランスを見ながらさまざまな工夫を考えている人も多いようです。
「東京都内は家賃が高い」というのは実際その通りですが、交通網の発達で自動車を所有しなくても生活できるという一面もあります。一方、地方都市では住宅ローンを支払っている人が多く、返済と貯金を同時に進める難しさを感じる人が少なくないことが分かりました。
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