かわいい猫との暮らしは、毎日の生活に潤いと癒しを与えてくれます。しかし、「猫って、こんなに抜け毛がスゴイとは思わなかった……」「掃除をしても、抜け毛が気になる」と、猫の抜け毛に悩まされることもあります。
実際、猫は毛に覆われている生き物なので、毛が抜けるのは当然のこと。受け入れるしかありません。とはいえ、日ごろからの簡単なケアを取り入れれば、意外にも悩みが軽減することもあります。
30年猫と暮らし、高齢猫の世話について情報発信している筆者が、猫の抜け毛に関するケアとおすすめグッズを紹介します。
猫の抜け毛に悩んだら、毎日ブラッシングを試してみよう
現在飼っている猫は3匹だけですが、かつては6匹いたこともあります。
猫は、季節の変わり目となる春と秋に毛が生え替わる換毛期があり、その時季はいつもよりも多く毛が抜けます。筆者自身、換毛期になると、猫をお風呂に入れたり、まめにブラッシングしたりしていました。
しかし、それ以外の時期も、家の中が毛だらけになるので、獣医に相談したことがあります。そのときの回答は以下の通りです。
「猫は生き物なので、常に新陳代謝しています。そのため、猫の毛も、毎日一定量が生え変わり、不要になったものが抜け毛になります。人間の場合でも、髪を梳いたり、洗髪したりすると、毎日数十本の毛が抜けると思いますが、猫も同じです。もし、猫の抜け毛に悩んでいるのであれば、毎日ブラッシングをして、不要な毛を取り除いてあげたらよいでしょう。」
我が家の猫は、全て日本猫で短毛。獣医の「毎日ブラッシングする」というアドバイスに「えっ、短毛猫なのに、そんなに必要なんですか?」と思わず返してしまいました。とはいえ、猫も人間と同じという話に「それも、そうだな」と納得したこともあり、その日から毎日ブラッシングをすることにしました。
その後、しばらく続けて「ブラッシングで抜ける毛を取り除いてしまうのは効果的だ」という実感を得ました。以前に比べると、部屋の中にフワフワと舞う猫の毛を目にしなくなり、掃除機をかける回数が減りました。今は、猫のブラッシングが日課となっています。
毎日のブラッシング、猫に適したブラシとは
猫の毛は長さ、量ともにいろいろあり、その分、ブラシもいろんなタイプのものがあります。毎日ブラッシングする場合は、猫の皮膚を傷つけることのないものを選んであげるのが大切です。
おすすめは、柔らかなゴムやシリコン素材でできているラバーブラシや、目の細かなコーム型。猫の皮膚へのあたりが柔らかいものが適しています。
一方、熊手のような形をしたスリッカーはおすすめしません。このタイプはとても使いやすいですが、知らないうちに力が入ってしまいます。毎日使うとなると、皮膚が薄くなっている高齢猫にとっては、負担がかかり肌を傷つけてしまうことがあります。
スリッカーは、長毛種の絡まった毛先を解くときや、換毛期のゴッソリ抜ける時期など、たまに使用するのが適しているといえます。