手軽に、幅広い時代の作品を閲覧できるのが魅力です。そこで本記事では、個人送信で読める「昭和時代」の絶版資料の一部を紹介します。
(1)『文藝』
『文藝』(ぶんげい)は1933年(昭和8年)に、改造社が創刊した文芸雑誌です。「文藝賞」を主宰しており、『群像』や『すばる』などとともに「五大文芸誌」と称されています。
1935年(昭和10年)には、太宰治による『逆行』が2月号にて発表されました。同年に第1回芥川賞が開催され、『逆行』が候補となるものの落選。選考委員には川端康成もいました。芸術家・岡本太郎が扉絵を担当している号(昭和16年11月号)も閲覧できます。
(2)『婦人生活』
『婦人生活』は1947年(昭和22年)に創刊し、1986年(昭和61年)まで続いた「戦後四大婦人雑誌」の1つです。『主婦の友』や『婦人倶楽部』などと並び、人気を博しました。
家事のコツや小説の連載、お役立ちコラムなど話題は多岐にわたっています。イラストや写真が多く使われた、読みやすい雑誌です。
(3)『東京都オリンピック時報』
1964年に開催された東京五輪。1959年に開催が決まり、翌年の1960年からは『東京都オリンピック時報』(東京都オリンピック準備局)が刊行されました。
「都民の寄稿 わたくしたちのオリンピック準備」などのコーナーや進捗報告から、当時の熱量が伝わってきます。
(4)『火葬国風景 : 海野十三短篇集』
『火葬国風景 : 海野十三短篇集』は1935年(昭和10年)に刊行された、SFの先駆者・海野十三(うんのじゅうざ)による小説です。私立探偵・帆村荘六を主人公とした「點眼器殺人事件」など9つの物語が収録されています。日本でも初期のSFミステリを、オリジナルで読んでみたい人におすすめです。
(5)『フォトタイムス』
『フォトタイムス』は大正末期から昭和初期にかけて刊行されていた、写真雑誌です。多くの写真が掲載されており、当時の風景や人物などから時代の雰囲気を感じられます。「モダーンフオトセクシヨン」といったコーナーでは新興写真のトレンドを紹介し、日本の写真界に影響を与えたといわれています。
以上、インターネットで無料で読める「昭和時代」の絶版資料をピックアップしました。なお、サービスを利用するには利用者登録(本登録)を行う必要があります。本人確認書類などの提出も必要。登録完了には数日間かかりますので、見たいと思ったときにすぐに利用できるよう、予めの本登録をおすすめします。
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