おなじみの野菜だけど、色や見た目がいつもと違う、食べてみたら普段と違う味がするなど「あやしいな、大丈夫かな?」と不安になったことはありませんか。次から次へと湧いて出る素朴すぎる疑問を、野菜ソムリエプロの江戸野陽子さんに解決してもらいます。#4はキュウリ。
#4「キュウリ」の状態がなんだかヘンです、食べても大丈夫?
定番野菜のキュウリは年中スーパーに並ぶ人気者ですが、旬の季節を迎えると、歯ごたえパキパキ、みずみずしくて本当に絶品です。ついついたくさん買い込んでとりあえず冷蔵庫の野菜室へ、そして気づいたら食べていいのか迷う状態になっていた……なんてことはありませんか?
キュウリは暑い夏に収穫される夏野菜の代表格ですから、もともと「寒さに弱い」野菜です。保存状態が悪いと、乾いてしわしわに萎びたり、蒸れて腐ったりすることもあります。
Q. 萎びて「断面が白い」キュウリは食べられる?
キュウリは、乾燥すると水分が奪われて皮の表面がしわしわに萎びます。断面は白~黄色っぽく変色してみずみずしさを失い、鮮度が落ちていることがわかります。
この状態のキュウリはみずみずしさと風味が著しく落ちていますが、食べることはできます。そのまま生で食べるのではなく、中華風の炒め物やスープなど加熱処理して食べてみてください(※苦みなど味に違和感があったら食べるのは止めましょう)。
Q.「断面に赤み」があるキュウリは大丈夫ですか?
キュウリは寒さに弱い野菜なので、ずっと冷蔵庫で保存していると低温障害で劣化してしまいます。断面に「赤み」がでることが多く、この状態になると本来のおいしさは失っていますが食べられないこともありません。
やはり炒め物やスープなど、加熱調理で食べちゃいましょう(※腐って赤くなることもあります。酸っぱいにおいや苦みを感じたら食べるのは止めましょう)。
Q. 表面が「ぬるっ」としている場合は?
袋に入れたキュウリを、そのまま冷蔵庫に入れたままにしていると、キュウリの呼吸によって袋の中に水分が発生し、その水分によってカビたり腐ったりします。
キュウリの表面がぬるっとしている、どろっとしている、もしくは白っぽいものが発生している場合は腐っています。この状態になっていたら食べるのは諦めましょう。また見た目に変化がなくても、切ったキュウリの断面が茶色っぽくなっていた場合も腐り始めている可能性があります。こちらも苦みや渋みが出ているので食べるのはやめましょう。
Q. 「渋い」味のキュウリは大丈夫?
キュウリには皮の付近に渋み成分(アク)が含まれています。これは板摺りすることで取り除けるので、生でキュウリを食べるときはぜひ塩で板摺りしてください。おいしく食べることができますよ。
また、ウリ科の植物には「ククルビタシン」と呼ばれる苦み成分が含まれています。通常流通するキュウリからはほとんど検出されませんし、少量ならば摂取しても問題ありませんが、激しい苦み(※)がある場合は吐き気や嘔吐、下痢を引き起こすこともあるので即座に食べるのを止めましょう。
Q. 常温? 野菜室? キュウリの「正しい」保存方法
<参考>
「激しい苦みのあるウリ科植物にご注意ください(長野県)」