塾の裏側とともに受験生の家庭事情が明らかになっていく展開に
中学受験かサッカーかで揺れていた三浦佑星(佐野祐徠)、鉄研がある学校を目指すことにした加藤匠(山城琉飛)、実は深い悩みを抱えていた優等生の前田花恋(田中絆菜)……。塾生たちが抱える悩みを次々に解決しながらテンポよく中盤に突入したドラマ『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』(日本テレビ系)。5話の主役となったのは、桜花ゼミナール上位クラスでトップの男の子、島津順(羽村仁成)でした。「合格のために、最も必要なのは、父親の経済力と母親の狂気!」
というのは、第一話で登場した黒木(柳楽優弥)の名言ですが、第5話は父親の狂気が感じられる展開となりました。
発端は「偏差値60以下の学校なんてゴミ」発言
場面は、夏期講習を目前に控えた桜花ゼミナール。島津順と、中位クラス上杉海斗(伊藤駿太)の取っ組み合いのけんかが発生しますが、その原因は順の発言でした。「偏差値60以下の学校なんて学校じゃねえよ」
「そんなとこ目指してるなんて、まじゴミだし」
塾仲間を相手に過激発言を連発する偏差値68の順、そこには父親・弘(金子貴俊)の影響がありました。塾のカリキュラムに不満を感じ、「塾の宿題なんてやんなくていい」と志望校より偏差値の低い中学入試の過去問題を順に強要します。
「偏差値54の学校の入試問題が半分もできなかった。入試まであと半年だぞ。何やってんだよ!」
「クズのような連中と一緒に勉強させられない」
「偏差値54の学校なんて学校じゃない。ゴミだ!」
自宅では弘に何を言われても「はい」と従う順。弘の言うことが絶対であることは、母親である優子(遠藤久美子)にとっても同じことでした。
弘に何を言われても、怯えて「はい」と「すみません……」というばかりの優子。そんな様子にいちばん心を痛めていたのは順でした。追い詰められて塾に行けなくなった順に優子は、塾も中学受験もやめたっていいと提案しますが……
「いや、やめない。やめたら……、きっと……ママがパパにいじめられる」
「ボクの友達を、バカっていうな!」親を正気に戻したのは子どもたち
自分のせいで母親につらい思いをさせたくない、そんな子どもの健気な気持ちが切ないですね。一方、塾に現れず行方不明の順を連れ戻したのは海斗でした。双子の弟がトップ塾・ルトワックに通っている海斗の口癖は、
「ボクは期待されているわけじゃないから」
かつてルトワックの入塾テストに落ちて桜花に入塾し、努力を重ねてトップの成績を維持してきた順にとって、元々ルトワックに入塾できる実力を持っていた海斗はひときわ気になる存在でした。
「黒木先生がさ、いつか海斗が俺のライバルになるって。いつか机を並べる日が来るって」
海斗のポテンシャルを見抜いているような黒木の発言や、ルトワックを辞めさせたのが黒木だという噂も気になりますね。
親の強すぎる期待を背負った順と期待されていないと感じている海斗。正反対の境遇でも、ともに中学受験という闘いに挑む同志の熱い絆、お互いへのリスペクトを感じさせます。
「ボクの友達を、バカっていうな!」
はじめて父親に言い返すことができた順の成長。子どものためを思って、取り乱したり理性を失ってしまう大人は、子どもの言動ではっと我に帰ることもあります。親に褒めてほしくて、親をがっかりさせたくなくて、……「親のため」をがんばるモチベーションにしている子どもは少なくないかもしれません。
「子どもは、大人が思っている以上に子どもで、思っている以上に大人です」
第4話の黒木の言葉が、ここでも響いてくるようです。
【動画】第5話を5分で復習!
【おすすめ記事】
・【第4話】中学受験は年間100万超の「課金ゲーム」!?
・【第3話】「勉強ができる子は、なんで褒めてもらえないんだろ」
・【第2話】「勉強が楽しくなければ中学受験は成功しない」
・【第1話】「合格のために、最も必要なのは、父親の経済力と母親の狂気!」
・私立中学受験のメリットと厳しい現実! 受験に迷う親たちへ