「環境の変化」とうまく付き合うための3ステップ【名著『チーズはどこへ消えた?』から学ぶ】

ベストセラーの『チーズはどこへ消えた?』について紹介します。世界のトップ企業でも活用されている名著です。物語に出てくる小人は、ネズミから「変化に適応すること」の重要性を学びます。ページ数は96ページと短く、1時間ほどで読めるボリュームです(画像:Amazonより)。

世界的な名著『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著、扶桑社)について紹介します。原題は”Who Moved My Cheese?”です。著者は、アメリカの心理学者・医学博士で、ハーバード・ビジネス・スクールの名誉会員。1998年に出版され、全世界で2800万部を突破しています。IBMやAppleなどの名だたる企業が社員教育に活用しているようです。

ページ数は96ページと短く、物語が中心の読みやすいビジネス書。環境の変化にうまく適応するための考え方を学べます。ビジネスだけではなく、日常生活にも生かせるでしょう。頭で理解していても行動に移せない人や、物事を複雑に考えてしまう人におすすめの書籍です。
 
画像:Amazonより
 

「変化」に適応するネズミ、変化を恐れる小人

ある国に、ネズミ2匹と小人2人が住んでいました。彼らは食料・幸せのために迷路でチーズを探し回っており、ついにチーズを発見します。毎朝、その場所へ通うようになりました。しかしある日、チーズがないことに気付きます。小人は「チーズはどこへ消えた?」と声を上げました。
一方でネズミは、その状況に驚きませんでした。毎朝、走り回って状況を調べていたからです。ところが小人は、チーズがあることに慢心していたので変化に気付けませんでした。新たなチーズを求めて、ネズミはすぐに探しに出ます。しかし、小人はただ事態の好転を待っていました。

次第に小人は衰弱。ついに1人で勇気を出して、迷路に足を踏み入れます。恐怖を乗り越えると、気持ちが楽になりました。そして、とうとう新しいチーズを見つけます。そこには先に出て行ったネズミの姿も。小人はネズミから、「変化に適応すること」の重要性を学んだのでした。
 

変化とうまく付き合う「3ステップ」

チーズは、「人生で求めるもの(お金や自由)」を象徴しています。ネズミと小人は、それぞれ「単純さ(ネズミ)」と「複雑さ(小人)」のシンボルです。本書では大まかに、以下のような流れで変化と付き合うことの重要性を説いています。

ステップ1・気付くこと
まずは、変化に「気付くこと」が大切です。ネズミのようにチーズの劣化や減少に気付いていれば、チーズがなくなったときに驚くことはありません。小さな変化に気付くことで、そのうち到来する大きな変化に向けて備えられます。

ステップ2・適応すること
次に、ネズミのように変化に「適応すること」が重要です。遅れてしまうと、変化に適応できなくなる可能性があります。小人が食べつくされたチーズの跡を見つけて後悔する場面がありますが、もっと早く動いていればチーズが残っていたかもしれません。

ステップ3・楽しむこと
最後に、変化を「楽しむこと」もポイントです。変化は常に起こるものだという意識を持っていれば、過去(古いチーズ)に執着しなくなります。そして小人のように、恐怖を乗り越えて行動できると爽快で楽しい気持ちになれるようです。
 
本書は3部構成になっています。1時間ほどで読めるボリュームのため、忙しい人にもおすすめです。変化を楽しみたい人は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

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