収入、ルックスは何位? 2021年、中国の若者が考える「結婚の条件」ランキング

2021年に発表された、中国の「独身の若者が婚活で重視する条件」のご紹介です。かつてトップ争いをしていた「収入」や「ルックス」が順位を下げるなど、最近の中国の若者らしい興味深いランキングとなっています。

中国人が結婚相手に重視するのは“身長”!?

上の表は、中国の人民大学による婚活研究チームが2021年に発表した「独身の若者が婚活で重視する条件」。男女で順位が前後するものの、中国の若者が結婚相手を選ぶ際、重視する条件として「身長」と「性格」が1位と2位になりました。

以前だったら、女性が男性に求める条件としては「収入」、男性が女性に求める条件としては「顔」が上位の常連だったのですが、どちらもトップスリーに入らず。

結婚相手の「性格」が大事というのは万国共通な気がしますが、その他の条件を押しのけて「身長」がここまで重視されるのは中国ならでは。

中国人の高身長へのこだわりは昔からで、背の高いことが一種のステータスとなっています。男性は180センチ以上、女性は165センチ以上が理想とされ、仕事の求人でも「男性175センチ以上、女性160センチ以上」などと条件がつけられていることも実はよくある話。

日本では女性の背の高さにはそこまでこだわりませんが、中国においては女性も長身であることが重視され、美人の絶対条件なのです。事実、中国の芸能界においても女性は165センチ以上、男性は190センチ近い人が数多く活躍しています。
 

かつての重要条件「収入」「顔」の順位が下がったのはなぜ?

以前はいかにもお金目当てなカップルをよく見かけたが、最近はお似合いな恋人同士が多くなった
以前の中国では、美人やイケメンは自身の美しさでお金持ちを射止めようとがんばり、お金持ちは経済力を武器にルックスのいい相手と結婚する傾向がありました。

収入の多さや顔の美しさが重視されなくなった大きな原因は、彼らの横暴ぶりが引き金となっています。注目したいのは中国のネット用語の「海王(ハイワン)」「海后(ハイホウ)」という言葉。これは海の生物を好き勝手にもてあそぶ王や后、つまり同時にたくさんの異性と交際する人を表しています。

同じようなことは日本でもありますが、不倫バッシングは厳しく、社会的に許されない風潮といえるでしょう。

一方、中国ではお金持ちが愛人を囲うことが一種「あたりまえ」とされ、された側は家族からも擁護してもらえず、辛い立場に立たされます。

また、お金目当てで結婚した美しい妻や夫が、配偶者の目を盗んで浮気して家庭がダメになるケースも少なくありません。

今の若者は結婚に安定感を求める人が多く、「海王」「海后」になりそうな相手を避けるようになったのだと思います。
 

変化した中国人の結婚観

一緒にいてホッとできる相手が一番!と考える若者が増えている
最近、日本でも話題になった中国の「寝そべり主義」に象徴されるように、家も車も欲しくない、出世も結婚も望まない若者が増えています。

中国における婚姻件数は2013年以降減少し続けていますし、逆に離婚率は年々上昇。2019年は約3.4%と日本の倍近い数字を記録しました。

豊かな時代に育った中国の若者たちは、古い風習や概念にしばられず、生活向上や見栄のための結婚は減ってきました。そして、結婚するなら、幸せになるために一緒に人生を歩いていくパートナーを探したいという人が増えてきています。

ただし、男性の求める条件で「家庭環境」と「両親」が、まだ上位にランクインしているところは注目すべき点です。これは中国の結婚習慣「彩礼(ツァイリー)」が関係しています。「彩礼」は日本でいう「結納」で、結婚する際、男性側が女性の家族にお金を支払うしきたりですが、その金額は数十万元(数百万円)から多い場合は100万元(1700万円強)を超えることも!

もし、女性側の家庭環境が良好な場合、高額な彩礼を要求することはありません。男性側が彩礼を納めても、両親は最終的に若い夫婦に渡す場合もあります。お金がない両親の場合、多額のお金を要求してくることも少なくないからです。

中国には「門当戸対(メンダンフードゥイ)」という言葉があります。これは家と家との経済状況の釣り合う結婚が好まれるという意味です。中国は日本よりも、家族のつながりが濃厚で、結婚に互いの親族が口を出してきます。

とはいえ、こういう慣習も時代と共に変化するもの。中国の結婚観は今後もどんどん変わり続けていくことでしょう。
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    アニメ映画『ふれる。』で“20歳の青年”を主人公にした意味は? 挑戦的かつ優しい3つのポイントを解説

  • 「正直、日本ってさ…」外国人に聞くぶっちゃけニッポン

    「ラーメンやすき焼きのお店まで……」30代グアテマラ人男性が語る、出身国で流行している日本の食文化

  • AIに負けない子の育て方

    学校から暗に退学を勧められ…。中学受験に無事合格も、彼らが「転校」を余儀なくされた理由

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    江ノ電、“史上初”人気ブランドとのコラボ制服が話題! 「鎌倉高校前駅」の駅名標やホームも大変身