ランドセルをめぐるママ友の謎ルールに辟易…「高級ブランド」はNG?値段は周囲と合わせるべき?

年々激化を続ける「ランドセル戦争」。ランドセル戦争で「一喜一憂」を味わったというママに、お話を伺いました。

年々激化する「ランドセル戦争」。鞄屋や百貨店で行われる「展示会」に足を運び、幼稚園年長の5月から6月には早々にランドセルを購入する向きも出るなど、「ラン活」は熾烈を極めています。ランドセルの価格も少子化&高級化を受けて上昇を続け、ランドセル工業会の調査によれば、2020年4月入学のランドセル購入価格の平均はなんと5万3600円(筆者の子ども時代は2~3万円が主流でした!)。

最高級コードバンを使用したもので20万円以上。人気を集めている皮革鞄専門店のものは8万~15万円と、子どもが使う道具とは思えない価格になっているのが今時のランドセル事情です。しかし、「高いランドセルを買うのは、すべて子どものため!」と言いながら、その実態は「ママ友同士のけん制」や「なけなしプライド」だったりすることも。ランドセル戦争で「一喜一憂」を味わったというママに、お話を伺いました。
 

ママ友の言葉に騙された!?

埼玉県在住の英恵さん(仮名・39歳)のお子さんは、昨年春に小学校へと上がりました。ランドセルを購入したのはその前年の7月。ご主人のボーナスが出るのを待ち、予算6万円と決め、娘さんと一緒にデパート巡りをしたといいます。

「娘が気に入ったのは、大きなリボンが付いた愛らしいパールピンクのランドセルでした。でも、見た目がちょっと子どもっぽいかな?と思ってママ友に相談したところ『そういうのは高学年になったら厳しいと思う。ランドセルは6年間使うものだから、地味なほうがいい』と言われて。確かにその通りだと思ったのでゴネる娘を説得し、ごく普通の濃いピンク色のランドセルに決めました」

それから半年が経ったある日。娘さんが泣きながら帰ってきました。理由を聞くと、英恵さんが相談したママ友の子どもが、淡いピンク×パープル色でフリフリとしたレースと刺繍飾りがふんだんに施された、いかにも女の子が好みそうなランドセルを持っていて自慢してきたとのこと。娘さんは「私だってリボンの付いたランドセルが欲しかったのに! がまんしたのに!」と泣きじゃくり、英恵さんは怒りが沸き上がるのを止められなかったといいます。

「人には地味なほうを勧めておいて、自分の子どもには派手はランドセルを買うなんてありえない!って思いましたね。あまりに腹が立ったので、ママ友とのメールのやりとりを全てコピペして、知り合いにバラ撒いてやろうかと思ったぐらい。

その後、リボンタイプの市販のバレッタをグルーガンでランドセルにくっつけたオリジナルを作ることで決着しましたが……ほんと、ママ友って厄介だって思いました」

 

コロナ禍で収入減。ランドセルを見るたび涙が……

「飲食店勤務の夫の仕事がこのコロナ禍で激減。私は第二子妊娠中で働けず。某工房系鞄メーカーのランドセルを買おうと算段していたのですが、そんなお金はどこにもなくて。夫に諭され、2月に入って量産型のランドセルが大幅値引きになるのを待って購入しました」

うつむき加減に話を聞かせてくださったのは、神奈川県在住の三奈子さん(仮名・32歳)。大切なひとり息子のために良い物を贈ってあげたい。そう願っていましたが叶わず、登校する子どもを見送るたびに涙があふれてくるといいます。

「ママ友から何度も何度も『ウチは〇〇屋のランドセルにしたのよ~。三奈子さんのところは?』と聞かれて……。そもそも自分の子どもに高いランドセルを買ったことを、わざわざ周囲に言いふらす必要あるのか?って。どれだけマウンティングしたいのよって、ママ友にイライラせずにいられません」

それでも。息子さんが「ママと一緒に買ったから、僕、これ、好きだよ」と言ってくれるのだけが心の救いだと三奈子さん。

「もしも自分が高いランドセルを買っていたら、そのママ友のように自慢していたと思うので、ある意味反面教師にはなりました。でも……もうちょっといいものを買ってあげたかった……」

 

高級ランドセルはNG!? ママ友の謎ルールに辟易

やはりママ友という名のオブザーバーに悩まされた経験を話してくれたのは、小5の娘さんとともに暮らす東京都在住の菜摘さん(仮名・35歳)。シングルマザーということで何かとママ友から“見下される”ことはありましたが、まぁ、そういう考え方もあるよねと、気にせずに暮らしてきたといいます。

「周囲にいちいち説明していないのですが、私、夫とは離婚ではなく死別なんです。そのため義父母が何かと気遣ってくくれて、娘が入学する際には20万円ほどの高級ランドセルをプレゼントしてくれたんです」

某服飾メーカーが発売したコードバンのランドセルは、見た目がシンプルで上品な仕上がり。さりげなくラインストーンのワンポイントが付いたお洒落なデザインで、娘さんは大喜びでした。そこまで高いものじゃなくても……と菜摘さんは思ったそうですが、義父母から「死んだ息子の代わりに、これくらいのことはさせてくれ」と言われ、ありがたく頂戴したといいます。

「でも……周囲のママたちは母子家庭の子どもが高いランドセルを買ったことが面白くなかったようで、“言いがかり”の嵐でした。『高すぎる物を持たせたら、子どもがわがままになるわよ』とか『値段は周囲と揃えるべきじゃない?』なんて意見もあって、思わず笑ってしまいましたけどね。ま、小学校に上がれば親同士が密に付き合う必要性もなくなるので、知らんぷりしていたら落ち着きましたけど」

高かろうが安かろうが、使うのは長くても6年間。ランドセルが重くて子どもの肩こりにつながるからと軽量のリュックサックをランドセル代わりに選ぶ親もいる中、依然としてランドセル戦争がなくならないのは、やはりママ友間の格付け・妬み・嫉みのなせる業なのかもしれません。

ランドセルを実際に使うのは子どもたち。親の見栄やくだらないママ友同士のけん制に使うことなく、子どもが本当に欲しがっているものを買ってあげたいものです。
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